アジアの風(2012/05/26放送分)

今回は、岐阜県安八市にある浅野撚糸のエアータオルをアジアに売り込もうというものだ。この浅野撚糸のタオルはどこかで見たよ。雑誌か何かの記事だったかな。
浅野撚糸は典型的な下請企業で、大手タオルメーカーのタオルを製造していたが、中国に仕事を奪われて仕事が激減し、存亡の危機となった。その中で、下請からの脱却を狙って開発したのが、エアータオルと言うことだった。最初は、伸縮性の高い撚糸を作ったのだが、それをタオルに織り込んだとき、高い吸水性という想定していなかった機能を持つことが判明し、ブランド化して売り出していった。
そのエアータオルは、有名ブランド並みの価格でありながら、売れ行きが好調なものである。特に一度使用した顧客がリピーターとなっているということだった。
番組では、エアータオルの素材である特殊な撚糸の製造工程を事細かく紹介していたが、ここまで紹介して良いのかな。
浅野撚糸は一度は2年前に上海で売り出したのだが、全く売れなかったそうである。
そして、アナリストの中国市場での評価であるが、市場性が2点と非常に低い。中国の富裕層が高級品を買うのは面子のためであり、他人の目につくところには高級品を使うが、日用品で高級なものはあまり売れないだろうと言うこと。従って、将来性もかなり低い。アドバイスとしては、店頭に並べても売れ行きは伸びないので、高級エステ店などに入れてもらって、実際に多くの人に使ってもらった方が良いのではないかということだった。
一方、シンガポール市場での評価は、非常に高かった。しかしながら、企業ブランドの構築が必要であるという評価だった。顧客が、このタオルを利用することが社会や環境にどう貢献するのかというような強いメッセージ性が必要だと言うことだった。
例として池内タオルが売り出している「風で織るオーガニックタオル」のように、天然素材を使ってさらに風力発電による電力で織った環境に優しいタオルのような強いメッセージがあるとよいということだった。池内タオルは「カンブリア宮殿」に出ていたような気がするな~。
浅野撚糸の社長は、エアータオルを作ったときはまだ経営理念などを設けていなかったが、今回の評価を経て、経営理念とか企業ブランドとかが必要だと言っていた。かなり負けん気の強い性格のように見受けられるな。
富裕層の心をどのようにつかんでいくのか、楽しみではある。