カンブリア宮殿(2012/06/07放送分)

【世界中のライフスタイルを変えよ!アマゾン帝国の全貌】
Appleの亡くなったスティーブ・ジョブズ氏や、facebookのザッカーバーグ氏のようにメディアへの露出が多いというわけではないし、発言が取り上げられることもあまりないので、知らない人も多いのがAmazonの「ジェフ・ベゾス」氏だ。私自身も彼が動画で喋っているのを見るのは初めてなので、興味深く見た。彼は、番組の収録時には来日していて、彼と小池栄子さん、村上龍氏がアマゾンの市川センターで対談するという形式で番組が進行していた。
アマゾンと言えば、私の場合は、特定の書籍がほしいとき(つまり何がほしいか分かっているとき)、よく利用している。書店に行くこと自体が手間だし、広いフロアの中で目的の書籍を探すのは面倒だし、必ずしもあるとは限らないし。もちろん、中身を確認してから買いたいような場合は実際に書店に足を運ぶ。しかし、そうでない場合はもっぱらアマゾンを使っているのだ。たまに、書籍以外のものを買うこともあるが、基本的には書籍以外は買わないな。特に古書に関しては、それまで国内にこれだけ大規模に、さまざまな書店を横断的に検索できて、価格も比較できて、さらにそれが郵送されてくると言うサービスはなかったので、大変重宝している。
ところで、アマゾンでは、こういった書籍の販売から始まって、今ではあらゆるものを販売している。野菜などの農産物もあり、番組では個人農家がアマゾンで農作物を売っていた。こういった、「良いものを作っているのだが、販路がないためになかなか売れない」というような農家にとって、アマゾンは良い販売経路になるのでは?
アマゾンの特徴としては、カスタマー・レビューだ。名称はいろいろあるが、今ではあらゆる通販サイト商品の所感を書き込む機能が存在する。アマゾンで古書を買ったら、売った書店を評価してくれとメールが来るので、最初は書いていたが結構面倒くさくなって最近は買っても評価はしないことにしている。それに、書店の評価はそんなに変わらないはずだしね(どの書店もきちんと梱包して、ASAPで郵送してくれると言うこと)。
また、ステマの存在に関しては番組では触れられていなかったが、実際に購入した人のレビューかどうかが分かる仕組み「Amazon認証購入者」を導入している。ステマをしている人が実際にアマゾンで商品を買ってから書き込むのであれば無効な仕組みではあるが・・・。でも、星の数の分布を変えようとすれば、相当数の商品を購入せねばならないので、ステマする人にとっては大変な手間とコストがかかる、と言う意味で効果は望めるのかな。
ところで、ベゾス氏は、「顧客主義とは何をやることか」の問いに対して「顧客の求めていることを把握し、それをどうやったら提供できるかを考える」と答えて、「逆回りの思考」と名付けていると言ったが、これってただの顧客志向マーケティングじゃないの?独自性が感じられない。もしかしたら、もっと深い意味があったのかも知れないが、番組ではそこまで言及していなかった。
アマゾンでは、「レコメンデーション」という「同じ購入パターンを持つ顧客」を分析してお薦め商品を表示する機能があるが、これも善し悪し・・・。個人的にはあまり分析してほしくないな・・・。
それから、「1-Clickサービス」と言って商品を1回クリックするだけで購入できる(発送先や、決済方法などを入力する必要なし)機能がある。これは便利だが、私は使っていない。というのはなぜかというと、この機能が最初に導入されたとき、原価計算に関する専門書を購入しようとして1-Clickサービスを使ったのだが、「購入されました」という表示が画面上に出なかったか、目立たなくて認識できなかった。あれ、うまく行かなかったのかな?と思ってもう一度クリック。そのとき購入しようとしていたのが3冊でそれを2回ずつクリックした。後日、書籍が6冊送られてきたのだ。多分今は画面表示など改善されていると思うが、最初の事件がトラウマになっていて、必ず手順を踏んで購入するようにしている。といっても、登録してある情報を選択するだけなので、手間はそれほどかからないのだが。
最後はキンドルの話。国内では販売していないが、ベゾス氏の話によると年内にはうれしい報告ができると言っていたので、どうなるか楽しみ。

ベゾス氏が日本のテレビにこれだけ登場するのは初めてではないだろうか。カンブリア宮殿のfacebookページでは、テレビ未放映の対談も公開されているので、そちらにも注目したい。