未来世紀ジパング(2012/10/15放送分)

【検証・太陽光発電はバブルか?】
太陽光発電で発電された電力を電力会社が買い取ってくれる制度「固定価格買取制度」が2012年07月に始まってから、企業や自治体などで太陽光発電システムを建設しようという動きが活発化しているという話。現状(2010年の時点)では、太陽光発電は全発電量の0.1%しかなかったのだが、2030年にはこの太陽光を含む再生可能エネルギーを30%にまでもっていこうというのが現政権の方針。
その固定価格買取制度だが、日本では、今年度は「42円/kwh*20年間固定価格」で買い取るのだが、これは事業所などでは発電量のすべてを買い取ってくれるというもの。
番組で紹介されていたのは、工業用に造成された土地で、買い手が付かなかったもの、かつて塩田として使われていたものなど、地方自治体が抱えている土地で使いようがない遊休地の利用であった。
家庭の場合は、買い取り価格は同じだが、固定期間は10年間である。それに、発電した全量を売れるわけではなく、まず家庭用で消費してその余剰を売るという制度である。それを試算すると、
・設置の際に国や地方自治体から出る補助金
・太陽光発電システムの導入費
・家庭の電気代の減少分
・余剰電力の売却益
を鑑みると、だいたい10年くらいで元が取れる計算になるという。ということは、11年目以降は買い取り価格が下落したとしても、電気代の減少分がすべて利益となるということだ。ということで「42円/kwh」という価格は絶妙な価格ということになる。
42円/kwhは、一般家庭で電力を使用する際の電気料金の場合のだいたい倍の価格である。だから、その価格で電力会社が買い取ると、さぞ電力会社は損を扱くことになると思いきや、この制度のミソは、電力会社が電力を買い取るための原資を、利用者に転嫁できるという点。つまり、電気料金が値上げされるということなのである。だから、太陽光発電システムを導入した人に、それ以外の人がお金を払うという事態になっている。
太陽光発電の設置者が増えていけば、電気料金の上乗せ分も上昇する。また、買い取り価格も毎年下落することは必至で、そういった意味では、今年度導入するのがいちばん儲かるということになる。実際日本がお手本にした独国の固定価格買取制度でも、毎年買い取り価格は下落している。したがって、最初に導入した人ほどたくさんの収益が得られるということ。独国では、電気代が+8,000円(換算して)くらい上乗せされている。また、「国内の太陽光パネル製造者」の産業育成を期待していたのだが、安い中国の外国製パネルに負けてしまったということ。この2つをもって、独国の固定価格買取制度は失敗だと、番組に登場した独国の経済アナリストは言っていた。
日本も独国の二の舞になるのでは?と不安にはなる。

しかし、今週の未来予測は「太陽光発電で経済再生!」だった。
つまり、太陽光パネルが家庭に普及することで、
・個人の資産が動く
・企業がものを作る
・(大手ではなく)町の工務店などに仕事が来る
ことで、公共事業に頼らなくて、金が回る仕組みになるという。

今週のゲスト(沸騰ナビゲーター)は辛坊治郎氏だったが、彼のしゃべりかたは通販番組を見ているようで、何だか軽かった。もっとしゃべり方を工夫すれば良いのにな~~。