アジアの風 小さな挑戦者たち(2013/01/12放送分)

今回紹介するのは、肉体労働する際の体にかかる負荷を低減させる補助具(サポーターのようなもの)を開発した、株式会社スマートサポート(代表取締役:鈴木善人氏)北海道の企業である。
動力を持ち、重量物でも軽々と持ち上げることができる「パワード・スーツ」ではなく、ゴムの力などを利用して、前屈みで物を持ち上げるときにその力を低減させる効果があるというもの。名称は、スマート・スーツ。体を屈めるときに解放される重力エネルギーの一部をゴムの張力に転換して、それを体を伸ばすときに解放するという機構だと理解した。デザインとしては、サポーターのような完全なインナータイプのものや、冬の北海道における重労働、雪かきのためにダウンジャケットと一体になったものなどが紹介されていた。
このスマートスーツ体への負担が2割程度軽減されるというが、これくらいの効果があれば、まずは国内で需要があるのでは?物流業で荷さばきをするような仕事(トラックの運転手)とか、土木関係者などなど。
北海道の農家などで試験的に使ってもらっていたと紹介されていた。が、「農業」以外にも「介護」「流通業」「土木建築業」など大きな市場があると思うのだが、今までそこにアプローチしていないのだろうか。紹介が全くなかった。
価格としては\38,000と・・・試験販売のためかも知れないが、かなり高めなのがネックではある。
耐久性に関しては番組で言及されていなかったが、普通のゴムであれば、何年も持つというものでは無い気がする。さらに、服の上から装着するとしても、発汗による水分の影響、摩擦などによる擦り切れ、熱などの影響、に関してはどう考えられているのか、その辺が不安ではある。
そして、この商品をアジアで売っていこうというもので、鈴木善人氏がもくろんでいるのが、中国の農作業と、シンガポールの介護事業であった。
で、まずは中国だが、価格がネックという判断。しかし、中国は老齢者を大切にするという文化が日本以上にあり、価格が低廉になってくれば、ニーズは狙えると言うことらしい。
シンガポールに関しては、老人介護の市場性は大きいが、まだまだというものだった。シンガポールは物流基地なので、その辺にアプローチしてみるのは道だろうと提案されていた。
いずれにしろ、この製品に関しては、独自性のアピールが足りないということだった。確かに、着用してみなければ、その効果が分からない。番組を見ていてもどのくらい負荷が減るのかが伝わってこなかった。
アドバイスとしては、国内での重工業向けや流通業向けで提携などを行い実績を積んで効果を実証するのが良いのではないかと言うことだった。
ということで、まだまだ洗練度が低い商品のような気がした。各種市場に特化して更なる進化を遂げていくのでは?と期待半分で見てしまった。とりあえず、国内市場への普及を図るのであれば、各種展示会に出展してみるのはどうだろう?装着は簡易にできるので、来場者に実際に着てもらって効果を実感してもらうのは?