去る平成31年3月22日(金)に、平成30年度補正(二次)予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(ものづくり補助金)の早期審査分の採択が発表されました。
応募者数は全国で「1,111者」、そのうち採択者数は「332者」でした。
福岡県では応募者数は非公開ですが、採択者数は「8者」となっています。
中小企業庁のページはこちら。
福岡県中小企業団体中央会のページはこちら。
さて、今回は公表されているデータを基に福岡県のものづくり補助金の採択率を求めてみましょう。
また、二次締切に関しての注意事項の解説したいと思います。
福岡県の採択者
受付番号 | 申請者名称 | 法人番号 | 事業計画名 |
3040110004 | スポーツモードオガキ | 小ロット・短納期を強みとした刺しゅうの内製化による競争力強化 | |
3040110006 | 久留米印刷株式会社 | 5290001047222 | 企業コンプライアンス対応の特殊伝票開発と生産性向上化ライン構築 |
3040110008 | 有限会社松野工作所 | 3290002037067 | 回転する球体磁石を内蔵した木製積み木の開発と生産体制の確立 |
3040110013 | 日本航測株式会社 | 5290001045663 | 3Dレーザースキャナー及びUAVの導入による測量技術の生産性向上 |
3040110022 | 若波酒造合名会社 | 7290003003171 | 複数の温度帯管理による「麹造り」工程の改善と生産性向上計画 |
3040110023 | 株式会社エクシード | 8290801024987 | 最新平面研削盤導入による検査ゲージの研削精度と生産性の向上 |
3040110036 | アジアフューチャー株式会社 | 1290001030149 | スマホで簡単!中小企業向けインバウンド強化支援システムの開発 |
3040110037 | 株式会社戸畑ターレット工作所 | 1290801002652 | 自動車用アルミダイキャスト部品のロボット導入によるバリ取り作業の生産性向上 |
まずは、採択された方におめでとうを申し上げます。皆様方が補助事業を無事終了して最終的に補助金が支給されることを祈念しております。
福岡県のものづくり補助金の採択率
ものづくり補助金の採択率に関してです。全国のものづくり補助金の採択率は332÷1,111=29.9%となります。
各都道府県のものづくり補助金の採択率は公表されていないので分かりません。
そのためこの後は推測となります。
福岡県のGDPは全国の3.5%程度です。そこで、ものづくり補助金の応募者(事業者)数もGDPに比例していると
仮定すると1,111×0.035=39件となります。
福岡県の採択者数は前述の通り8件ですので、採択率は8÷39=20.5%となります。
都道府県のGDPはこちら。
ものづくり補助金に応募する事業者数は地域ごと時期ごとで格差があるでしょうから、単純にGDPで比較して採択率が高い低いというのは正鵠を失するかもしれません。
昨年と比較してみます。
昨年のものづくり補助金の一次公募の応募者集17,275、採択者数9,518ですので、全国の採択率は9,518÷17,275=55.1%となります。
福岡県の応募者数は同様にGDPを基に計算すると、17,275×0.035=605件ですので、福岡県の採択率は297÷605=49.1%です。
昨年のものづくり補助金の二次公募の応募者数6,355、採択者数2,417ですので、全国の採択率は2,417÷6,355=38.0%です。
福岡の応募者数はGDPを基に、6,355×0.035=222件とし、福岡県の採択率は97件÷222=43.7%となります。
となり、福岡県のものづくり補助金の採択率は全国の採択率に比べて±5ポイント程度の差があるということになります。
これが有為な差となるかどうか分析すると面白いのですが、専門性が高すぎるのでここでは割愛します。結論としては地域調整(地域ごとに極端な差が生じないようにする恣意的な調整)はないということになります。
ものづくり補助金の二次締切に向けて
さて、前回の記事でも説明しましたが、ものづくり補助金の公募は続いているという解釈なので以下の制限があります。
- 一次締切に不採択になった事業者は二次採択に向けて応募し直すことは不可能です。
- 不採択の理由の問合せも不可能です。
- 差し替え(※)も不可能です。※計画を見直してより良い内容にすることは不可能です。
となりますので、一次締切に応募された方はこのまま二次締切を待つということになります(詳しくは公募要領を再確認して下さい)。
ここからは推測ですが、一次締切に応募してきた計画書の採点は終了しているはずです。そこで、二次締切に応募してきた計画書の採点をした後に点数を降順に並び替えて良い点数の順に採択されると思います。
そうなると、二次締切を目指して、良く練られた計画書の点数の方が高くなる??つまり、一次採択されなかった事業者は二次採択では極めて不利な状況なるということではないでしょうか?
やはり、二次締切に応募する方が有利だったということになるかも知れません。