Hondaビジネスジェット実験機の飛行試験を開始

 昨年暮れの話ですが、自動車メーカー大手の「HONDA」が米国で、ビジネスジェット実験機の飛行試験を行ったというニュースがありました。「Hondaビジネスジェット実験機の飛行試験を開始
 まず、ビジネスジェット機の市場の話から。
 ビジネスジェット機の市場規模は、北米を中心に今後10年間で8000機~10000機程度と予想されています。何と言っても、米国はその広大な国土を移動するのに航空機の利用は欠かせません。ビジネスジェットはその名の通り、企業のエグゼクティブが移動するために使われるのですが、近頃米国航空局(FAA)が発表した「小型航空機輸送システム(SATS)」構想によってその可能性は大きく広がりました。それは、全米に600ある空港と他に約10000存在すると言われる管制設備のあまり整っていない離着陸場を使って、より利便性の高い航空輸送を実現しようというものです。実際、米国では、この市場をターゲットに多くのベンチャー企業が興っているようです。
 もちろん日本でも、より低燃費のビジネスジェット機が登場すれば、本島と離島とを結ぶコミューター航空などに採用が広がるでしょう。
 ホンダでは、創業者の故本田宗一郎氏が「航空業界への参入」をずっと掲げてきていました。ここにきて、ホンダがビジネスジェットの市場に参入するのは自然の流れだったのかも知れません。

 この機体、「HondaJet」と呼ばれていますが、その外観上の最大の特徴は、主翼の上にエンジンを搭載していることです。
 ジェット機のエンジンの位置と言えば、主翼の下に吊す、機体尾部に横に突き出す、或いは、垂直尾翼を貫通する、などが挙げられます。
 エンジンの位置は、揚力を発生させる主翼に取り付けるのが、強度上もっとも理にかなっていると言われます。後退角を持つ主翼は、飛行時はねじれのモーメントを発生させます。機体尾部にエンジンを配置すると、その重量によるモーメントと主翼が発生するモーメントが主翼の付け根に集中します。そのため、強度を上げる必要があり、構造材の重量が増加します。
 大型の航空機であれば、翼の下にエンジンを吊すことも考えたでしょうが、今回のような小型機では、主翼下に十分なクリアランスがありません。というわけで、翼の上に持ってきたのですね。
 確か、英空軍のライトニングという戦闘機が、翼の上に増槽タンクを装着していましたが、それに勝るとも劣らぬユニークな格好です。
 この「HondaJet」の特徴は以下のようなものが挙げられています。
・(先ほどの独自のエンジン配置により)構造材が機内(キャビン)を圧迫しないため、キャビンは広く確保することができる。
・主翼が自社開発の層流翼型である。(抵抗を軽減)
・ノーズ部分も層流を発生させる形状である。(抵抗を軽減)
・一体成型の複合素材胴体である。(重量を軽減)
・アルミ製の主翼(重量の軽減、加工の容易性)
・グラスコクピット
・独自開発のエンジン
 これらにより、従来の同クラスの航空機に比べて格段の燃費向上を実現したとあります。
 さて、この「HondaJet」の最大のライバルとなるのは、「エクリプス500」という飛行機です。(こちらはオーソドックスなデザインですね。)
 話によると、エクリプス500はすでに2000機の契約を取り付けているとか。しかし、ホンダには「HONDA」というブランドがあります。SATSにより生まれた多くのベンチャー企業に比べて、このブランドは非常に大きいです。このブランドに性能や信頼性がついていくか、ホンダのがんばりが期待されます。
 また、国内でも、実際に飛行しているところを見てみたい!!是非、この航空機を実用化してください。そして、国内の民間航空会社、コミューター航空のみなさん、そして、自衛隊のみなさん、この航空機が実用化された折には是非採用してください。m(__)m

週刊東洋経済 2004年01月31日号

 週刊東洋経済 2004年01月31日号の特集は、中国です。

特集

鉄、金、原油、小麦・・・

中国”爆食”

 我々が中国を見るときに、「安い労働コストを生かした世界の工場」であるとか、「日本の産業の空洞化の直接的な要因」であるとか、モノ(製品、サービス)を供給する側面で見ることが多いと思われますが、今回はその逆、需要面から中国を見た切り口です。つまり、10億超の人口を抱える中国は巨大な供給地であるとともに消費地であるということです。世界の工場として経済成長を遂げる中国は、そこで暮らす国民の所得を向上させ、消費を促進させます。結果、巨大な可処分所得を持つ富裕層を中心として、一大消費ブームが到来するということです。
 話は、金の相場の値上がりから始まります。さらに、原油や天然ガス、小麦など17品目を指数化したCRB先物指数は、アジア通貨危機以前の最高値を抜いています。
 これらの国際商品の高騰の原因として5つを挙げ、その中でも中国国内での消費が最も影響を及ぼしていると述べられています。
 次に、国際商品を個別に取り上げて、それぞれの現状や見通しなどが述べられています。
1.鉄鋼
 国内では、製鉄会社の統合が進み、購入者側との価格交渉力が強化されました。それに、今回の中国の需要増大による追い風があり、製鉄会社側に有利な状況が続いています。また、ステンレススチールは鉄とニッケルの合金ですが、ニッケルの価格が昨年夏場から上昇中です。これは、日本や欧州中国でステンレスの需要が堅調なのに加えて、半導体生産の回復でリードフレーム用の需要が急増したことに原因があります。また、ニッケル自体の取引市場が小さく、ヘッジファンドが流入して値ざや取りの標的にされているとの指摘もあります。ステンレスの消費先である建設業界は不況が続き、価格転嫁もままならない状況です。
2.化学
 ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニールなどそれぞれ好況に推移しているそうです。特に塩ビでは、中国から米国向けの玩具などが好調であり、中国国内の需要も増大、更に、米国経済の好調により欧米からアジアへ流入する塩ビ樹脂が減少するなどの影響で需給の逼迫感が強いと述べられています。日本国内の塩ビメーカーは長年の赤字体質の脱却に期待しています。
3.石油
 石油は、原油価格が高水準で推移する中、国内におけるガソリンなどの市場価格は需要の頭打ちやSSの競争激化により引き上げが難しい状況です。原油価格が高騰する原因は、需要面で欧米の寒波や米国の堅調な経済状況そして中国の台頭が挙げられる一方、供給面でイラクの戦後復興の遅れやロシアのインフラ整備の遅れがあります。
3.繊維
 化学繊維の原材料となるエチレングリコールは、中国での需要増が毎年50万トン規模に達しています。そのため、生産が追いつかない状況が続いています。東レでは、原材料価格高騰を迅速に価格に転嫁できるように、市況予測や購買情報の共有化を進めていっているそうです。
4.食品
 穀物の市場も騰勢が続いています。食用油の原料となる大豆は米国での需要の逼迫を受けて近年にない高騰を示しています。その逼迫を加速させているのが、中国における「食生活の欧米化」だそうです。日本国内ではデフレ状況が続き、原材料価格の高騰を販売価格に転嫁しにくいのが実情です。国内では食用油メーカーの統合が行われましたが、統合効果を吹き飛ばしてしまいそうな雰囲気です。
5.金
 昔は、「有事のドル」と呼ばれていました。しかし、同時多発テロの発生や、それに続く米国のユニテラリズムの台頭、アフガニスタンやイラクとの戦争などにより、「ドルが頼れる通貨である」という神話は崩壊しました。しかし、ドルに変わる国際通貨は存在しません。そこで、人類が共通して価値を持つと認識する「金」の保有が促されました。そこに、中国の金口座売買開始が始まりました。中国国民は「金の選好度」が高いとされています。その結果、金の騰勢が続くのでした。
 国際商品価格高騰の背景として5つの要因が挙げられていますが、その中でもっとも大きな要因は「中国の経済発展」であると述べられています。
 中国の経済発展はここしばらく続くと見られていますが、懸念材料もいくつかあります。中国には3つのバブルの兆しが出ているそうです。それは、投資、銀行貸し出し、そしてマネーサプライです。また、不良債権問題も深刻だそうです。数値はいずれも日本の銀行の3~4倍を示しており、事態の深刻さを表しています。
 さて、中国の旺盛な需要に支えられた国際商品価格の高騰が、日本のデフレ脱却の起爆剤になるかというのが、記事の最後にあります。
 しかし、そうはならない・・・点も3つほど挙げられています。
1.原材料の高騰をそのまま商品の価格に転嫁しにくい状況であること。日本の企業は内部の努力で原材料費の高騰を吸収する行動を取るのではという見方です。
2.過去、国際商品の価格高騰が最終財の価格引き上げにつながったことはないということも挙げられています。
3.円高により、国際商品の価格高騰分が相殺されているという実情もあります。
 最後に、05年度の予測です。それは、やはりアメリカの景気の状況に左右されると結論づけられています。アメリカの製造業景況循環の期間が約20ヶ月であり、05年初めには下降局面にはいるという可能性があります。問題はその景気後退の程度です。中国向けの製品輸出増を食いつぶしてしまうほどの景気の落ち込みがあると、デフレの脱却は難しいだろうとされています。逆に、中国への輸出が堅調に推移してアメリカの減速分を補えれば、日本はデフレのスパイラルから抜け出すことができるでしょう。
 今回の特集は、非常に興味深かったです。日本の産業界では中国脅威論などがささやかれていますが、中国の経済的な発展が国内の輸出増などプラスの方向に働くこともあるというのは、新しい見方だと思いました。そういえば、福岡の家電量販店には外国人の客が多いという話をしたばかりでしたね。

日本、有人飛行へ

 政府は29日、現在の日本の宇宙開発利用政策を抜本的に見直す方針を固めた。失敗が続く国産ロケット打ち上げや人工衛星の開発技術などの見直しのほか、凍結していた日本人宇宙飛行士による独自の有人宇宙飛行についても、早期実現を視野に再検討する。Yahoo!ニュースより

 今日のネタはこれで決まりですね。日本は今まで有人宇宙飛行に否定的でした。有人宇宙飛行は多額の研究費がかかる上、その成果を(宇宙生活などの実用的な分野に)生かす時代はまだ先になります。日本としては、有人宇宙飛行よりも人工衛星打ち上げ用のロケットなど商業的に実利のある分野を優先させてきたのです。(日本でも、大気圏に再突入可能な宇宙船の基礎実験はやっていたんですよ。「HOPE」とかね。)
 今回は多額の予算をかけて有人宇宙飛行をする計画のようですが、目的を明確にして、実現可能な(国民が納得するような)目標を立て、実行してほしいものですね。
 かつて、航空機産業の黎明期には多くの航空機メーカーが誕生しました。しかし、新しい航空機の研究開発に多額の予算がかかるようになってくると、統合と淘汰の嵐にもまれ、現在では、商業用の大型航空機はアメリカのボーイングとヨーロッパのエアバスくらいしか作っていません。軍用機も、かつては名を馳せたメーカーも次々と別のメーカーの軍門に下り、わずかしか残っていません。
 現在のロケット開発は、(軍事目的への転用可能性からか)ロケット単体の売買は行われていないようです。ロケットを持っていない国が衛星を打ち上げたい場合は、他国のロケットに乗せてもらって打ち上げることになります。しかし、人が宇宙ステーションとのあいだを頻繁に行き来するような、そんな時代が訪れたとき、ロケットの打ち上げビジネスも今より大きなマーケットとなり、より激しい競争の時代になるでしょう。そのとき、日本のロケット産業が生き残れるのかといえば、今のままでははなはだ疑問です。有人宇宙飛行を軸に、ロケット開発技術の水準を上げて、来るべき国際的な競争に勝ち残れるようなロケットを開発するべきだと思います。
 巨額の資金を投入することになりますから、当然、明確な目標を示し、それを説明する責任(アカウンタビリティー)を果たす必要があります。
 日本の有人宇宙飛行に期待しましょう。

日経システム構築 2004年02月号

特集

どうする既存資産

知らぬ間に忍び寄る”不良化”の危機

 いったん構築されたシステムを維持していく上での課題です。システムは構築された瞬間から陳腐化が始まります。構築時には想定されていなかった業務の変化や、環境の変化により、このシステムを維持していくべきか、それとも新しいシステムに切り替えるべきかの選択に迫られます。
 資産が陳腐化していく要因はいくつか挙げられます。(これは診断士ネタですね。)
 この記事では、まずWindows系のOSのサポート期限切れ、同様にSAPやノーツなどのサポート期限切れ、などが課題として挙げられています。いつもニュースになるWindows系のOSのサポート切れですが、個人ユーザーならともかく企業ユーザーの場合は新しいOSに交換するコストは馬鹿になりません。もう少し、期間延長を考えてほしいものです。それに、OSを新しいのに交換すると一部の機能に互換性がない場合もあり、そのために、関連ソフトも最新版に更新しなければならない状況も発生します。
 ハードウェアはソフトウェアよりも多少息が長いとはいえ、年を重ねるごとに保守部品の調達に支障が出てきます。個人レベルで慣れている人ならば、新しいパソコンに乗り換えるのはそれほど手間はかかりませんが、業務システムのハードウェア移行は大変になります。
 情報システムが不良化するその他の要因として挙げられているのが、人の問題です。例えば、COBOL言語を扱える技術者の不足は、現在大規模なシステムをCOBOLで動かしている企業にとっては大問題になるでしょう。また、情報システムの仕様書が残っていないか、残っていてもアップデートされていないことが多いです。このため、開発時に担当していた技術者が退職したあと、そのシステムを扱える技術者がいなくなってしまい、維持管理ができなくなってしまうこともありえます。この場合は、新しいシステムを構築しようとしても既存のシステムの処理内容が全く理解できないということにもなり、その技術やノウハウは使い捨て状態になってしまいます。技術者が限定されるのは、独自の仕様により構築されたシステムが多いことにも原因があります。
 ところで、この記事は、問題点を事実としてあげただけで、解決策が示されないまま終わっています。(;_;)/~~~
 それでは、あんまりだ!!というわけで、私なりの解決策を示してみましょう。
 Windows系のOSのサポート切れは、どうしようもないです。(^^) したがって、OS導入時にいつまでサポートされるのかを考慮する必要があります。また、サポート切れになったからといって使用できないわけではないし、インターネットに接続されて致命的な脆弱性があるというようなことでなければ、使い続けることは可能でしょう。
 乗り換えるメリットは、
・新しい機能が使える。
・最新のサポートが受けられる。
 乗り換えるデメリットは、
・移行に伴うコストがかかる。
・ソフトの非互換性がある。
 サポート切れ時に新OSに乗り換えるのであれば、それを見越した設計、実装、及び運用スケジュールを事前に考えておく必要があります。ソフトを組むときに、「最新の、デファクトになるかどうか分からない技術」や、「枯れた技術」を使うのは控えて、「ほどほどに浸透して次期OSでも採用されるはずの技術」を利用するべきです。
 ミドルウェアも同様です。あえて最新の機能を使う必要がなければ、旧バージョンを使い続けることも可能です。
 これらのメリットデメリットを考えて移行するかどうかの判断をすることになります。
 ハードウェアは導入時に耐用時間を考えて保守部品を確保しておくべきです。また、特殊なハードウェアの導入は避け、一般に入手しやすい物を選ぶべきです。ソフトウェアの移行がしやすいハードウェアであることも重要です。
 人の問題は、・・・きっとどこのシステムでも同じなのでしょうね。ドキュメントをアップデートして実際のシステムとの整合性を図っていくことと、標準的な技術を使用することによって、人に依存したシステムにならないようにすべきですね。・・・といっても、私の働いているところなどは、「人に依存したシステム」を地で言ってます。(^^)
 情報システムって、作るときのことばかりを考えて、その後使い続けていかなければならないことをあまり考慮していません。TCO(Total Cost of Ownership)を見据えた情報システムの構築が必要となるでしょう。それが、情報システムのコストを最小化することになります。

日経情報ストラテジー 2004年03月号

さて、今日は日経情報ストラテジー 2004年03月号の書評です。

特集1
トヨタ流企業改革のツボ

トヨタ流といえば、「カンバン」方式と呼ばれるJITが有名です。それと同時にトヨタ流改革として「カイゼン」が挙げられますね。特集1ではトヨタ流の企業改革を行って収益性の高い企業に生まれ変わった企業を紹介しています。
・・・記事には、「ここがトヨタ流」という枠囲いで各社の改革のポイントが数個ずつ挙げられています。これは、私がまだ中小企業診断士試験の受験生だったら、必ずメモしておきたい項目ですね。もちろん、これからも大事になるでしょう。(「ここがトヨタ流」はあえて本稿には引用しないことにします。)(^^)
1.経営危機脱した伊藤ハム
今はアメリカのBSEが問題になっていますが、2001年の後半は国内のBSEで大問題になっていました。それと、BSEに続いて発生した業界の不祥事で伊藤ハムは創業以来の危機的状況でした。そこに、取引のあった紀文やすかいらーくからNPS(新生産方式)の導入を広めているコンサルティング会社を紹介されます。伊藤ハムはNPSを自社流にアレンジしたIHPS(伊藤ハム生産方式)を導入し劇的な収益改善を成し遂げました。グラフを見るとまさにV字回復ですね。
具体的には、工場内の無駄を徹底的に省くことです。うずたかく積まれた仕掛品、無駄な作業員などを削減します。NPSとは何か特別なことではなく、誰もが当たり前だということだそうです。まさに、「コロンブスの卵」です。でも、ではなぜやらないのか。できないのか。それは、トップが陣頭で指揮を取らないからです。記事にも経営トップがやる気にならなければNPSは失敗するとあります。
2.ロックフィード トヨタ自動車から改革者を招へい
首都圏の百貨店で惣菜コーナー(惣菜店)RF1を展開するロックフィードのお話です。こちらはいわばフレキシブルマニュファクチュアリングシステム(FMS)にも似たやり方が紹介されています。日本語ではフレキシブルな生産システム(フレキシブルは日本語訳されないのかな?)というそうです。多品種少量生産を行う場合に工程をすばやく切り替えて柔軟に対応するシステムのことです。ここでは、そのFMS的なやり方と、セル生産方式とを組み合わせた手法をとっています。可動式のテーブル(一人用のパイプ机)を生産する品種ごとに並び替えて、柔軟に対応しています。工場内に固定式のテーブルなどないそうです。どういうレイアウトにするかは壁に張り出されていて、そのレイアウト図に基づいて瞬時にテーブルの並びを変えるそうです。
3.あいおい損害保険 営業にもトヨタ生産方式が生かせる
トヨタ生産方式といえば製造業向きの手法が多いと思われがちですが、ここでは金融業である相生損害保険の営業部門へのトヨタ流の応用事例が報告されています。ここでは、他社の損保に加入している顧客をいかにして自社に引き込むかが課題であり、そのためには他社情報の収集が必要であるとあります。
4.トヨタとリクルートの力が生きる
河村電気産業、スズデン、中京銀行を取り上げて、OJTSが提供する人材育成サービスを利用した人材育成に着いての報告です。一時的な改善は対症療法でしかありません。企業が永続する(ゴーイングコンサーン)ためには絶え間ない改革が必要です。そのため、現場で改革のリーダーとなるべき人材の育成が必要であるという観点から、OJTSの人材育成サービスが紹介されています。
まとめとしては、工場やオフィスの最適化とは、結局人やモノの流れを最小化することに尽きると思います。一連の作業の中で人やモノが移動する距離・時間はムダ以外のなにものでもありません。仕掛品や伝票、そして作業者の移動を最小化するようなもののレイアウトと人の配置が必要です。

特集2
密着取材!
GEのリーダー養成術

第2特集はGEのリーダー養成術に関する記事です。私は以前、TV番組でジャック・ウェルチのリーダー養成に関する特集を見たことがあります。GEは人材育成に金をかけているなという印象でした。未来への投資、米百俵ということでしょうか。TV番組でも紹介されていたクロトンビル(ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ・センター)の写真も紹介されていました。ここでは、ウェルチじきじきに講義を行うこともあったとか。
記事は、昨年11月に六本木ヒルズで行われたGEのBMC(ビジネス・マネジメント・コース)という研修についての取材です。実際の企業の経営課題について解決策を検討するという行動学習(アクションラーニング)です。
BMCでは研修の結果をそのままCEOなどの最高幹部に報告し、彼らはその場でその提案の採用、不採用を決定するそうです。つまり、研修の結果がそのまま企業戦略となってしまいます。記事を読むとBMCとは大変実践的な研修であるということが理解できます。
GEには、上級リーダー向けのBMC研修とは別に、CLPという営業分野のリーダーシップ養成プログラムもあるそうです。ここでは、ジョブ・ローテーションを通しての人材育成が行われています。通常は、ジョブ・ローテーションは2年から3年くらいずつ行うものですが、GEでは半年ごとに行うそうです。そして、その半年間に明確な結果を出さねばならないという、受講者には厳しいハードルが課せられます。
GEでは、こうした研修と選抜のピラミッド構造により、次世代のリーダーを継続的に養成し、それを競争力の源泉としているのですね。こうしてみると、日本企業の人材育成はまだまだ遅れているとしか言いようがないです。もっと、体系的な人材育成を図るべきでは。おっ。
今号の特集は2つともおもしろかったしためになりました。でも、記事としては、日経情報ストラテジー的な話題ではないような気が・・・経済誌向けの記事ですね。日経BP社も似たような雑誌をたくさん出して互いに領域を侵害し合っているんじゃなかろうかと思います。

週刊東洋経済 2004年01月24日号

 さて、書評を再開します。手元には、身動きできない私をあざ笑うかのように数冊の雑誌が届いているのでした。1日1冊読破します。

復活せよ!

国内旅行

 先日、経済学の本を読んでいたら、上級財、下級財の話が出てきて、「海外旅行は上級財、国内旅行は下級財」という例が挙げられていました。上級財下級財というのは財(サービスも含む)の分類で、例えば、海外旅行と国内旅行の2財しか存在しない世界で、消費者の所得が上昇したときにその2財の消費量がどう変わるかによって分類されるものです。上級財は所得が上昇すれば消費が増えますが、下級財は所得が増えれば消費が減少します。古典的な経済学の教科書にはバターとマーガリンの例が載っていることで有名です。(^_^;)
 と、脱線はこのくらいにして、実は国内旅行をする人の数は年間3億人超です。国民一人当たり年間3回は国内旅行をしていることになります。それに対して、海外旅行は1300万人と10人に一人しかしていないのです。ビジネスの出張や帰省を含んでいるとはいえ、桁違いの数字です。
 なのに、国内旅行は地味なイメージがあります。それは、旅行者一人旅行一回当たりの単価が約3万円と、海外旅行の約10分の一であり、企画から手配までの手間がかかる割にあまり儲からないということにその主因があります。つまり、国内旅行は成熟産業だと言うことです。
 この辺で、もうぴーんと来たでしょう。成熟産業というのは、あくまで顧客のニーズが変化しないことを前提に成り立つものです。しかし、国内旅行を行う旅行者のニーズは、そして市場そのものは刻々と変化しているのです。そうなると、新しいビジネスチャンスが生まれてくるというものです。今回はそんな特集です。
 旅行の内容の変化について2つの視点から取り上げています。
 一つ目は、旅行者(団体、グループ)の規模です。旧来の客というのは大型バスで乗り付けてくる団体客であり、新しい客というのは個人や少人数グループの客です。今や団体旅行はすたれ、個人(グループ)で旅行する時代です。この新しい風をうまくつかんだ宿泊施設は繁盛を続け、団体客にすがり続けたところは四苦八苦しています。
 二つ目は、旅行の目的です。観光バスで、地方を回りつつ、つまみ食い的に観光を行うような旅行は今は衰退し、目的性の高い旅行がはやっています。特集では例としてJTBの「ファーブル」などを紹介しています。ファーブルは自然と接するエコツーリズムを取り入れた商品です。
 次に、旅行者を迎える地域の集客改革として、長野県の「小布施町」の成功体験の紹介と、今春九州新幹線が開業する南九州地方の取り組みを紹介しています。いずれも、新幹線の開業というハードウェアと客を集めるソフトウェアの調和が必要だと述べられています。
 特に小布施町の北斎館周辺整備事業の話はおもしろいです。「群居の思想」だとか。働く人と住む人と訪れる人が調和できるってどんな感じでしょうか。行ってみたくなります。
 九州新幹線は部分開業ですが、鹿児島を随分近くします。今まで、福岡-鹿児島間が3時間50分かかっていたのが、2時間10分になるのですから。私も鹿児島に行くときは是非利用しようと思っているくらいです。さて、部分開業ながら、ハードウェアができました。それに対してソフトウェアはどうかな。あの有名な佐賀県知事さんのインタビューが載っていたけど、佐賀県だけ、或いは各県がバラバラに行動してはその効果を最大化できません。九州人の一人としては、是非とも九州全体の観光底上げに知恵を絞ってもらいたいものです。
 旅行者そのもののお話しもあります。国内旅行で20万円超の出費をする50代以上の世代(団塊の世代)をターゲットにしようというお話しです。彼らが仕事をリタイアした後、その余った時間と金を国内旅行に向けさせようと言うことです。彼らをターゲットにした企画も次々と登場しているようです。古くはフルムーンなんてのがありましたね。(今でもあるのかな。)旧国鉄は時代を先取りしていた?
 さて、この高齢者(エルダー)をターゲットにという記事の中で日本の人口ピラミッド図が載っていました。・・・もうピラミッド型ではないですね。釣り鐘型でもない、二重に山のある紡錘形とでも言うべきか。しかし、私の年の人口だけ、ひときわくぼんでいるんです。(ひのえうまです。)一目で分かります。(^_^;)
 ネット販売部門では、旅の窓口の攻勢が伝えられています。ネット販売だけを取れば、あのJTBさえ足元にも及びません。旅の窓口には私もたびたびお世話になっています。m(__)m
 ところで、旅の窓口と言えば、楽天による買収がありましたが、その買収によってシナジーは発揮できるのでしょうか。楽天を利用する客を旅窓に誘導できるのか・・・。どうなるか楽しみです。さて、旅窓以外のネット販売ですが、あれこれと工夫を凝らしています。各社の工夫もなかなかおもしろいです。
 最後は、外国人旅行者です。国が観光立国を目指して動き出しました。私は福岡の人間ですから、福岡の家電量販店にはちょくちょく行きます。そこには、なんと中国人、台湾人、韓国人など多くの外国人の姿が見られます。記事に書いてあることが現実に見られるのです。確かに、福岡はアジアの窓口だなと実感します。たまに東京に行ったとき、お上りさんよろしくアキバを徘徊しますが、福岡ほどは外国人を見かけません。(あそこは日本人だけでも相当多いしね。)外国人は昔は天神地区が多かったけど、近頃特に博多駅周辺が多いようです。なんといっても、空港から5分で博多駅ですから、利便性は抜群です。
 脱線しかけましたが、海外からの旅行客を招き入れて国を潤しましょうというお話しです。外国人旅行者は、現在は韓国がトップですが、中国の潜在力は見逃せません。しかしながら、外国人観光客受入にはビザの問題があるそうです。このビザの発給は国内でも簡素化するように声が挙がる一方で、外国人犯罪の増加など治安の悪化を理由になかなか簡素化されないのが実情のようです。
 というわけで、今回は国内旅行に関する特集でした。人々の生活スタイルが多様化して旅行に対するニーズも様変わりしてきました。どこの業界もそうでしょうが、そうしたニーズの変化をとらえて手を打てるところは繁栄し、そうでないところは廃れていってしまうのでしょう。他山の石としなければなりませんね。

Dive in the sky プラネテスOP

 試験期間中だったというのに・・・
 土曜日、試験1日目終了後、家に帰って、「プラネテス」 第11話~第15話までまとめて見直しました。(15話は当日放送された分です。)

 どうやら、そのときにスイッチが入ってしまったようで。


 何のことかといえば、タイトルにある「Dive in the sky」という曲にです。ずっと、頭の中でリフレインしています。(^^)
 Vocalは酒井ミキオ・・・といっても、恥ずかしながらよく知らないんですが。
 ボーカルそのものではなくて・・・(ファンの方ごめんなさい。)歌詞と曲調に惹かれてしまいました。歌詞は宇宙を目指す人類を歌った?様な感じの歌詞です。何だか、胸が熱くなってしまいます。あぁ、アニメの曲に胸を熱くするなんて、なんか間違っています。と思いながらも好きになってしまったものは仕方ありません。
 というわけで、今日、試験二日目の帰り道、「Dive in the sky」のCDを買ってしまいました。マキシシングルにしようか、プラネテスのサントラにしようか迷ったのですが、サントラにしてしまいました。¥3,045-でした。今何度も聴きなおしているところです。(^^)
 これで、明日からの通勤時間に聞く曲は決まってしまいました。

プラネテス 第15話

 今回は、サブストーリー的?な話でしたか。
 ハチマキとタナベがデート中のところをチェンシンに見つかって一悶着があった程度で、メインストーリーはあまり進展なしかな。
 メインは、デブリ課の契約社員であるエーデルの過去が明らかになるという話でした。うーん、彼女の過去が今後のストーリーに影響を与えるのかな?と言うところで、今日はサブストーリーに終始したという感じです。
 そう言えば、今日は軌道保安庁との絡みも少しありました。軌道保安庁というのは、現在の海上保安庁、あるいは沿岸警備隊の宇宙空間版といったものですね。犯罪の抑制、犯人の捕縛から、デブリの不法投棄の監視まで行っているようです。宇宙空間で活動をする人たちにとっては怖い存在のようです。もとテクノーラ社の社員で今は軌道保安庁に勤めている「ギガルト」氏の病状が悪化。取り敢えず病状は安定しているようですが、この先彼の健康状態が気がかりです。
 ギガルト氏のCVをやっているのは「岩本規夫」さんです。彼はどっちかというと大言を吐く小悪党系のキャラが多いのですが、今回は正義の味方です。いい感じ出ています。でも、やはり大言を吐くところは同じですね。彼は銀河英雄伝説で「ロイエンタール」役もやっていましたね。彼もやはり、最終的には反逆してしまいました。

実務補習の案内が来ました。

 やれやれびっくりです。新聞受けに何か紙片が入っているなと思って開けてみると、郵政公社の不在者配達票でした。送り主は中小企業診断協会でした。実務補習の案内がやっと来たらしいです。それによると、21日に配達したことになっています。(私は新聞を取っていないので、新聞受けを見ることはまれなのでした。)
 というわけで、受け取りに行ってきました。
 案内の内容は冊子が2冊と案内状と誓約書でした。実務補習期間内に相手先企業で知りえた情報は口外してはならないとか、その他の倫理規定を遵守しますという誓約書です。
 冊子は結構厚いのが2冊です。1冊は実務補習のテキスト、もう一方は参考書でした。とりあえず目を通しておかなければ。
 いよいよ、実務補習です。楽しみ、楽しみ。

寒波、きました。

 今日は、九州北部地方も大雪になりました。特に私が仕事に行っている事業所のある佐賀県鳥栖市は10cm以上の積雪でした。高速道路が通行止めとなり、自動車で通勤する人は軒並みお休みとなりました。JRも大幅に遅れて、会社に着いたのは昼前でした。(;_;)/~~~
 明日も冷え込むそうですが、今日ほどの交通機関の乱れがないことを祈りたいですね。
 補足.1
 部屋に帰ってシャワーを浴びようと思ったら、お湯が出ません。でも、水は出るんですよ。屋外のガス給湯器には水道の金属パイプがむき出しになっているところがあります。もしかして、そこが凍ったのかなと思い、コンロでお湯を沸かせて、それをパイプにかけました。「カサカサ」という音とともに水の流れる音がしました。と同時に給湯器に火が入る音がしました。で、台所に戻ってみると、茶色い水が蛇口から流れており、湯気が立ち上っていました。
 朝はお湯は出たのに、日中に凍結したのですね。今後は、蛇口を少し開けておくことにします。
 補足.2
 電車での通勤で、列車が駅に止まっている際に、ずいぶん寒い思いをしました。信号待ち合わせなどで長時間停車するときには暖房効果維持のため一応中央扉以外を閉めるのですが、それでも足先と上半身が寒かったです。それなのに、シートのヒーターの熱でお尻と太ももの後ろ側は逆に熱くてやけどしそうでした。体の一部のみが熱くて他の部分が寒い状態では、体の体温調節に異常をきたすのでしょうか。家に戻ると、耳が熱く感じられました。おかしいなぁと思っていたら、案の定熱を出してしまいました。
 通勤であれだけ寒い思いをしたのでは仕方ないですね。おとなしく、体を暖かくして寝ています。