カンブリア宮殿(2012/07/05放送分)

頑張る女性を応援したい!「家事代行ビジネス」の全貌!
今回のゲストは、家事代行サービスのベアーズだった。家政婦派遣サービスだが、急な依頼に対応するサービスや、食事作成サービスもあり、家庭でのいろいろな事態に対応できるのだなと感じた。うちでは実家などでイベントがあるときは親戚の女性などに手伝いを依頼していたのだが、急な場合や、そのような人が対応できない場合は、困ることもあったかも知れない。そういう意味で、今後はこういった家事代行サービスが必要になるのかな。
一般の家政婦は登録すればすぐなれるが、ベアーズでは入社後に技術研修、マインド研修、挨拶や笑顔研修をしているそうだ。企業としてサービス品質を維持するためには必要なことだし、重要だよね。研修も、オリエンテーションから始まって、初回訪問はベテランスタッフと同行してOJTだし、そして独り立ちした後も料理研修やらアイロン研修やらやっているのはたいしたものだね。これだけやらないと顧客から信頼されないだろうね。
ところで、登録されている女性スタッフの能力が全て数値化されているというのは、ビックリだ。空気を読む力という項目があったが、これってどうやって評価指数値に落とし込んでいるのだろう。
夫婦共働きだけではなくて、単身男性や女性も顧客になっているということに「?」と疑問を抱くことは、心のどこかで男女分業の考えがあるのかな?と感じた。実際は、番組中でベアーズの専務が言っていたように、「楽をしたいからではなくて、心のゆとりとか、バランスを取りたいとかをベアーズに望んでいる」ということなのだろうが。

本当に仕事が忙しい人にとっては、単身者であれ、夫婦であれ、このようなサービスというのが有効なのかも知れないな。
番組の最後にある後記の中で村上龍氏が述べていたように現在の経済合理性に基づいた「互助」というのが、ベアーズのやっていることの本質なのかも知れないな。

オイコノミア(2012/07/03放送分)

「子供は嫌いじゃないけれど」(後編)ということで~~。
先週のおさらいとして「経済学では少子化も需要と供給の関係で表すことができる」とか「機会費用の増大が少子化の原因だ」を説明。
「低出生率の罠」という言葉は初めて聞いた。これは、出生率が1.5を割り込むと、子供が少ないことが前提の社会構造になってしまうと言うことだ。つまり、小児科医や学校などの教育機関の数が少ないことが当たり前の社会になってしまう。その中で子供の数を増やそうにも社会環境が整っておらず、子育てにはより高いコストを払うことになると言うことらしい。つまり、いったん出生率が1.5を割ると、そこから回復して2.1に戻すのは大変だと言うこと。なるほどね。
また、子供の数を決める3つの段階という仮説もあるらしい。
1.男女が完全に分業している状態
2.女性の社会進出が進むが、男女分業の考えが払拭されておらず、結果として少子化が進む状態
3.男女が育児を分担するという考えが浸透している状態で、出生率が再び上向く状態
なるほど、これは仮説としては初めて聞いたが、確かにそういう分け方はできるな。
この仮説によると、日本は第二段階にあるということで、男性の育児分担の割合が高い国では出生率が高いというデータも提示されていた。散布図を見ると、日本はまだまだ・・だな。
で、少子化のいちばんの問題は、現在の世代間負担を前提とした社会保障制度が破綻するのではないかということなのだが、後編のここに来てそんな話をするのか?順番が違うんじゃない?もっと前の段階で話さなければいけなかったのでは?
そこで、社会保障制度の破綻を防ぐためには、定年の延長が重要だと言うことになるのだが、時代にマッチした新しいスキルを身につけないと、労働力の需給ギャップが埋まらない。と言う話になって、そのためには職業能力訓練などが重要だという話になった。でも、それって今回のテーマを逸脱しているよな。
少子化問題の結論が定年延長か・・・。

今回は話の持って行き方に??が付いたな。ああいう構成で良いのか??
私自身は「少子化問題を一言で言うなら「合成の誤謬」そのものではないのか?」と思っているが、どうなんだろうね?

ガイアの夜明け(2012/07/03放送分)

タイトルは【安くておいしいウナギはどこに?】、もうすぐ土用の丑の日だから、タイムリーな話題だな。だけれども、稚魚のシラスウナギが3年連続の記録的不漁ということで、価格が高騰している。そういえば、近くのスーパーは中国産でも高い値段だったものね。
番組を見ていたら、ウナギが食べたくなった~~。金曜日の健康診断が終わったらウナギ解禁にしよっと!!

ウナギの生態というのは、今でも謎の部分が多くて、具体的にどの辺で生まれているかは長い間謎だった。近年、やっと産卵場所が突き止められたことがニュースになったくらいだ。
ちなみに、ウナギはえらの他に皮膚でも呼吸ができるので、体表と周囲が濡れていれば陸上でも生きられる。濡れていれば崖を登ることもできることから、「うなぎ登り」の語源にもなったそうだ。
ウナギは世界に10数種類生息しているそうだ。その中で、日本近海で捕られて日本人の食卓に上るのが、ニホンウナギであるが、それが大不漁。
あるうなぎ屋では米国ウナギを輸入してテスト販売。脂が少なく煙が出ないので、蒸し時間などを調整していた。
浜名湖を抱える静岡でもウナギの不漁は深刻で、そこでも海外からウナギを調達しようということ。アフリカのマダガスカルに、日本のウナギに似た食感のウナギがいて養殖もされていると言うことで、静岡の商社員が買い付けに行く場面が紹介されていたが、日本から飛行機を乗り継いで、さらに陸路を走って約3日もかけて行くって、こうなると執念を感じるな。
で、現地で実際に炭火で焼いてみて(炭火焼きセットを持って行っていた)鰻丼を作って(ご飯は真空パックのものをこれも持って行っていた)、食べてみるとニホンウナギに似た味だったみたいで、急遽10t買い付けていた。輸送コストを含めてもニホンウナギの半分のコストだそうだ。

と言うわけで、日本人の、ウナギを食べたいという執念はすごいな。

アジアの風(2012/06/30放送分)

三重県にある「錦見鋳造」が、「魔法のフライパン」を海外(中国、香港と上海)で売っていこうというのがテーマ。このフライパンは価格がなんと10,500円という。でも大手ホームセンターの売り場では7ヶ月待ちの状態だとか。でも、これってすでに機会損失が発生しているじゃん。海外に売り込む前に国内での生産体制強化が喫緊の課題ではないの??
で、このフライパンの特徴は、火が通るのが早いということ。アルミやステンレスに比べても早いというから驚き!。それは、フライパンの厚さが1.5mmと、普通のフライパンの半分しかないということが理由らしい。このフライパンは鋳造で作っているのだが、鉄の鋳物の場合、厚さは4~5mmくらいがミニマムでそれ以下にするのは不可能だといわれていたらしい。それを独自の製法で可能にして販売したところ、人気を呼んでいるのだそうだ。
技術的には、銑鉄は炭素が多い方が柔らかいが、炭素が多くなると強度が落ちる。実際に試行錯誤していたときは、柔らかさと強度のバランスに苦労したそうだ。それがあるとき間違って、想定の倍の炭素を入れてしまったが、そのときに、強度が落ちなかったという。たまたま失敗したことから、成功の種を見つけるなんてかっこいいな。
しかし、そのときは1.2kgの重量で、家庭で女性が扱える重さではなかった。ということで、その後鋳型を改良して、薄いフライパンができるようになったとのこと。
それを料理の本場である中国に売り込もうと意気込んでいるわけだ。
で、アナリストの評価だが、上海では価格の評価が最低だった。中国って、調理器具に30%も関税がかかるの~~。知らなかったよ。ということで、価格がいちばんのネックだが、機能をもっとアピールできれば、売れないことはないだろうということだった。中国人は「魔法」という言葉に弱いと言っていたな。口コミを使うのがよいのでは?ということで「ウェイボー」などを使うことも考えた方が良いというアドバイスだった。
香港では、逆に将来性の評価が低かった。市場はもう飽和状態だということで、将来性が低いと言うことだった。やはり、機能を実際に見せれば売れる機会がある。シティスーパーと言われる香港の高級スーパーなどで売り込んでいくのが重要ではないかと言うことだった。

ということで、勿論自社製品を海外に売っていこうという挑戦意欲はすばらしいと思う。しかし、せっかく薄い鋳物を作るオンリーワンの技術があるのだから、その技術をベースに他の鋳物製品を作るようなことはしないのかな?今までは鋳造で実現不可と言われていたものとかあるのではないかな?

ところで、この番組のナレーターは「谷内里早」さんという女優らしいが、オープニングとかアイキャッチで旗を振っている女性がその人だったのね。すごく汚れた服を着て旗を振っているし、煤メイクなんかもしているのは「小さな挑戦者」のイメージなんだそうだ。でも、振っているのが「白旗」なのが気になる。降参しているのか・・・

マネーの羅針盤(2012/06/30放送分)

今週は、今年も折り返しと言うことで、半年の経済状況を振り返り。
まずは、59兆円という数字。日経平均株価の上半期は、3月の最高値10,255円で、6月には最安値8,238円を記録した。その際に失われた時価総額がその59兆円ということだった。
小泉内閣当時の金融庁長官であった五味廣文氏の言によると、小泉政権時代と違い、現在の銀行の経営は健全な状況であり、リスク管理ができているということだった。ただし、日本の金融機関は集めた預金で日本国債を買っている。金が民間の投資に回らないので、国富を増やすことに繋がらないと言うことだった。
それが、日本のGDPが20年間ほとんど伸びていない理由。そのため、成長戦略が立てられていない。政府も民間も悪いけれど、政府が既得権益などを壊さないと金が回らないということで、政府の責任が大きい。民間銀行はもう少しリスクを取っても良いのではないかと言うことだった。
そういう状況下での円高は、欧州の不安などを踏まえてリスク回避的に円が買われていると言うことだった。
で、今週の一言「入るを図りて出を為す(礼記)」
今週は駆け足の内容だった割にはいろいろ話が出てきたな。

日本と世界のマーケットについて
日経平均株価は先週の最安値から711円と大幅上昇。
NYダウも週の後半にかけて大幅に上昇した。しかし来週発表される米国雇用統計が厳しいものになるので株式市場も厳しいだろうとのことだった。
株式は、上海総合指数のみ下落しており、中国の経済成長に疑問符が付いていると言うことだった。中国政府の発表する指数は実態がよく見えないということだが、株価は実態に近いのではないかと言うことで、上海総合指数が下落している。要はインフレ抑制と経済減速のバランスがうまく行っていないのではと言うこと。

それから、スペイン金融28社を格下げ(ムーディーズ)。EUは相変わらずホットだな。やはり寄り合い所帯の弱さを露呈と言うところか。しかし、五味氏は、独国のEU離脱も、ギリシャのEU離脱もないと言い切っていた。独国はEU加盟国に対してきちんと財政規律を守らせて、その上で支援を続行するだろうと言うことだった。で、独国メルケル首相の2007年当時と現在の顔写真を比較して、「彼女は(そういう)覚悟ができた顔になった」と言っていた。私から見るとただ老けただけのようにしか見えなかったが・・・。

カンブリア宮殿(2012/06/28放送分)

放送300回記念特別企画ということで、日本航空の再建の話。
で、稲盛氏がゲストとして登場。
稲盛氏がJALに対して行った改革を解説していくというものだが、番組で紹介された手法は京セラでやっていた経営手法の焼き直しだった。JALに特化した経営手法を行ったわけではなかった。「アメーバ経営」も出てきたしね。真新しさを期待したのだが、それは無し(というか非公開だったのかも)。
JAL再建の最大の障害は、幹部の官僚意識だ。親方日の丸の放漫経営と言ったら言い過ぎかも知れないが、それに近いものがあった。稲盛氏もそこのところは強い危機感を持って意識改革にあたっていったようだ。
ということで、過去最大の営業利益をたたき出しちゃったと言うからすごいね。JALは「水が滴る雑巾」みたいなものだから、絞ればいくらでも絞れると言った感じだ。
以下に番組で紹介された改革
・JALフィロソフィと呼ばれる冊子
・部門別採算制度では670もの単位に組織を細分化して、それぞれで収支管理。
・便ごとに売上と経費で収支管理をさせる(従前は路線ごとの収支管理)
・日々決算(従前は一月後に収入が分かる)
・予約状況に合わせて機材を柔軟に変更
JALの社員が考えを一つにするフィロソフィを設けること、組織をアメーバにすること、収支の単位を適切な粒度で管理すること、日ごとに売上を計算させることなどは、稲盛氏の既出のやり方そのままだね。JALでは今までそれをやってこなかったということだろう。
2010年に稲盛氏が火中の栗を拾ったときに、否定的な意見が多かったような気がする。かくいう私も、製造業とサービス業の違いや、そもそも何十年もかけて社員に浸透させてきたフィロソフィを数年で植え込むことができるなど無理だと考えた。でも、稲盛氏はそれをやったんだよね。確かに浸透度はまだまだ足りないかも知れないが、結果を出していることには間違いない。改めてすごいなと思う。
番組後半は787の導入時の話だったが、それは割愛。

松下幸之助氏、本田宗一郎氏、盛田昭夫氏など昭和時代の伝説の経営者はほとんど亡くなってしまったが、稲盛氏はその最後の生き残り。
航空業界はLCCの台頭を含めて今後も荒波がおそうことが必至。稲盛後のJALがその荒波を乗り切れるかどうかはまだ未知数。破綻後の企業の再上場としては最短を更新するのではないかと思うが、再上場しても前途は多難である。
さすがに稲盛氏の企業人としての役割は今回が最後かな。彼の次の世代の経営者だとずいぶんと年齢が離れているな。やはりあの人かな、あの人しかいないかな。