【BCP、事業継続計画】 中小企業庁が中小企業・小規模事業者向け「強靭化法案」提出へ

 経済産業省・中小企業庁が、2019年1月の通常国会に「中小企業強靱化法案(仮)」を提出することになりました。中小企業強靱化法案(仮)とは、昨今頻発している大規模な自然災害などに対応するものです。中小企業・小規模事業者が事業継続計画(Business Continuity Plan、以下BCPと呼ぶ)を策定するなどして災害に対する準備を行った場合に、インセンティブを与える施策が盛り込まれる見込みです。ここで言うインセンティブとは損害保険料などの割引や政府系金融機関からの低金利融資、補助金、税制優遇などになる見込みです。

 内容に関してはこれから詰めていくことになるようですが、中小企業・小規模事業者への自然災害などのリスクに対する啓蒙としての意味合いが強いと思われます。

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平成31年度中小企業庁の予算について(補助金など)

さてネタとしては少し古くなりますが、平成31年度当初予算の概算要求が出ています。

詳しくは中小企業庁のサイトをご覧ください。

当初予算の概算要求が出たのは8月末です。この当初予算の概算要求を見ると平成31年度の中小企業・小規模事業者向けの施策が見えてくると言う話です。

政府が民間を施策に誘導する仕組みとしては、法律、税金、補助金などがあります。法律は規則を作って無理矢理にでもその施策へと誘導するものですが、税金(減税)や補助金は民間を自主的にその施策へと誘導します。営利企業が利のある方に動くという経済学の仕組みを巧みに使っているというわけですね。従って、予算を見て減税や補助金の施策を見ることでその意図をくみ取る事ができるというわけです。

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ものづくり補助金、投資回収1%にも未達 財務省調査 (日経新聞電子版、2017/11/22)

日経新聞電子版、2017年11月22日の記事によると、財務省の調査でものづくり補助金の投資回収が1%にも達していないことがわかったそうです。

ものづくり補助金は、企業が新たな設備投資等を行うことにより、新規事業への参入や革新的なサービスの提供を実施することを後押しするものであり、補助額は2/3で最大1,000万円という大きなものです。

企業にとっては新たな設備投資等の負担軽減で新規事業への参入に肩を押してくれるものとなっていますが、実際に新規事業への参入を果たしたとしても投資回収には至っていないというところでしょうか?

補助金には「収益納付」という考え方があって、補助金による設備が生み出した収益の一部を国庫に返納しなければいけないことになっています。今回の財務省の指摘はこの収益納付が少ないというものだろうと思います。

詳しくは、以下のリンクをクリックしてください。

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今年のノーベル経済学賞に「行動経済学」の先駆けである「リチャード・セイラー教授」が選ばれる

2017年のノーベル経済学賞に、米シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が選ばれた。

セイラー教授は「行動経済学」の先駆けであり、彼がノーベル経済学賞を受賞するということは行動経済学そのものの社会的な評価につながるわけで、大変うれしい出来事である。

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リーマン・ショック

 少しネタとしては古いが、先週のリーマンブラザーズの破綻は、金融市場に激震を走らせた。NYダウは500ドル以上、日経平均株価は600円以上の下げ幅を記録した。また、他のアジア諸国やヨーロッパの市場も軒並み大幅な下げ幅を記録した。米国発の不況が到来するかと思われたが、各国の金融当局の迅速な対応により、大きな混乱は避けられたようである。

 金融当局もちゃんと過去の歴史から学んで対応策を考えているのかな。

 しかしながら、今後もこれ以上の激震が走るかも知れない。当面経済ニュースからは目が離せない。

寡占市場における最適な企業数

 寡占市場においても、せめて3社くらいあれば、3社間での競争(独占的競争)が行われるのではないかというのが、私の私見です。

 ビール業界におけるキリン、アサヒ、サントリーは好例かな。航空業界では、JAL、ANA、JASと3社があったのですが、そのうち2社が合併してしまって2社になってしまいました。しかしながら、私がよく使う「福岡~東京」便では、スカイマークががんばってくれているので、3社といえないこともない。もし、スカイマークがなければ、われわれはもっと高い航空運賃を払わなければならない羽目になる、と考えるとスカイマークをおろそかにはできません。

 航空機産業で言えば、こと民間機部門においては米国のボーイング社が一人勝ちです。アンチテーゼとしてのヨーロッパ・エアバス社は苦戦を強いられています。実は、つい最近までエアバスは絶好調だったのですが、A380の開発が大幅に遅れたことによる業績の悪化が著しいです。航空機ファンの私としては、空港で見る旅客機がみなボーイングでは面白くないので、ぜひエアバス社にもがんばってほしいのですが。そして、ボーイング、エアバスに次ぐ第3の旅客機メーカーが立ち上がってくれることを祈っています。でも、開発にかかる予算と需要との関係で、世界市場で3社目を立ち上げるのは難しいかもしれない。

 パソコンソフトに関しては、OS部門、オフィスソフト部門におけるマイクロソフトの台頭が著しい。ほかのメーカーは何とかしないのかね。

 逆に、寡占化(業界再編成といったりします)が進まず開発部門(技術者)が各社に分散してしまって競争力が低下しているのが家電業界。東洋経済によると日本には9社あるそうで、それらに技術者が分散して開発しているから、国際的な開発競争に対して立ち遅れが目立つそうです。

 開発コストと市場の大きさに応じた(寡占市場の)最適な企業数が存在するとは思いますが、家電はともかく、航空機産業とパソコンソフトに関しては、もう少しほかの企業にもがんばってほしいと思います。

ウクライナ政情不安

 ウクライナで野党側が臨時革命政府樹立を宣言したそうです。現時点では情勢がどのようになるかは予断を許さないところなのです。事態の推移を見守りたいと思います。
 ところで、ちょっと気になったのは、革命という言葉です。今回の政変は「革命」なんですかね。「クーデター」ではないのかな。というわけで、辞書で調べてみると、クーデターとは支配層内部の政権移動を意味すると書いてありました。ということは、どこかの王国で、幼い国王を廃してその後見人が政権を掌握するようなのがクーデターということになります。
 それに対して革命とは、それまでの被支配階級が支配階級から国家権力を奪い取って政治の形態を変えることです。いちばん有名なのは「フランス革命」ですよね。
 クーデターと聞いて(私が)一般的に思い浮かぶ、軍事クーデターに関してはどうでしょうか。軍部は支配層なのかな?。これも、どこかの王国で、××将軍なんてのがいて、彼が股肱の部下を率いて王族を廃して政権を掌握するというのであれば、軍事クーデターということになるのでしょうね。
 一般に、シビリアンコントロールの元での軍隊は「支配階級」ではないので、もしその軍による政権の収奪が行われても「クーデター」とは言わないような気がします。この場合、「軍事革命」ということになるのかな。
 明治維新が、「革命」なのか「クーデター」なのかは微妙なところです。地方政権が中央政府を軍事力で追い払ったのですから、やはり「クーデター」に入るのか。
 その後の、大日本帝国時代の五一五事件(1932)、二二六事件(1936)に関してはどうなるのかな。事件以降、政党政治は終焉を迎えて、軍部が政権を取ったという意味では軍事クーデターということか。
 いずれにしろ、日本の場合は、「天皇」の存在が状況をややこしくしていますね。日本史の政変劇(武士階級が登場して後のもの)では必ずその存在がキーになります。
 今回のウクライナの政治危機に戻りますと、野党側は一応支配層のような気もします。でも、民衆の力を借りているという点では、革命なのかな。

パウエル=>ライス

 時事ネタです。
 米国のコリン・パウエル国務長官が辞任を発表し、後任にコンドリーザ・ライス補佐官が就くことが発表されました。(ライス女史の就任は決定には至っていないようですが。彼女が就任以来を断る理由はないです。)
 ブッシュ政権の良心と言われていたパウエル長官が辞任することで、ブッシュ政権、つまり米国が強硬派一辺倒に傾き、一国主義的な行動が加速されるのではないかと心配しています。
 ライス女史は、黒人女性初の国務長官職に就くのですが、パウエル氏ほどの国民的支持は得られないでしょうし、したがって彼女の政権内での影響力も限定的なものになるでしょう。とても、心配です。
 私は、パウエル氏もライス女史も好きなので、彼らが政権内の重要なポストで活躍してほしいと思っていました。でも、パウエル氏は前述のようにブッシュ政権の良心といわれており、イラク戦争に一貫して反対の立場を取っていました。そのため、政権内部で孤立し、辞任に至りました。本人が、「1期のみ国務長官を勤める」と言っていたのは、裏を返せば、それ以上は付き合いきれないという意味だったのかもしれません。
 ところで、政権を離れるパウエル氏はともかく、ライス女史は、ブッシュ政権と命運をともにしなければいけません。・・・本人が辞任するか、政権途中で解任されるかしない限りは。ライス女史が国務長官になって、政権内でタカ派を抑えるべく動いたとしても難しいのではないでしょうか。もしかして、ブッシュ政権が、国務長官をお飾りの名誉職として彼女に与えたのかもしれません。黒人女性初の国務長官という看板で、国民の支持を得るためだけに彼女が利用されるのではないかと思っています。
 米国の右傾化が更に進まないことを祈らずにはいられません。

ネットフリックス

 米国で成功しているDVDレンタルのオンラインサービスです。
 今月号の日経情報ストラテジーに紹介されていて大変興味を惹かれたので、調べてみました。
 ネットフリックスではDVDのタイトルを3本ほど選んでオンラインで注文します。商品は全米に20箇所程度設置された配送センターより配送され、翌日までには手元に届くそうです。利用者はDVDを見終わった後、商品に同封されていた封筒に入れて郵便で返送するそうです。返送されると次のタイトルを注文することができる仕組みです。
 このシステムの画期的なところは、返却期限がないところです。そして、1ヶ月あたり何タイトルレンタルしようとも19.95ドルの固定料金であるところです。(ただし、この料金は1回に貸し出される本数が3本のものです。)
 19.95ドルと言えば、2200円程度でしょうか。DVDタイトルをレンタルすると500円くらいかかりますので、月4本以上借りるのであれば、利用者にとってはお得と言うことになります。
・借りるときにレンタル店まで足を運ばなくてもよい。
・返すときにレンタル店まで足を運ばなくてもよい。
・返却期限がない。したがって延滞料金も要らない。
・借りられる本数に制限がない。
 これらの特徴は利用者側のニーズを十分に反映していますね。
 でも、これで、ビジネスとして成り立つの?
 しかしながら、この「定額制無制限」のレンタルビジネスは米国ではDVDに限らず書籍やゲームソフトなどにも広がっているとか。ネットフリックスは当然このビジネスモデルに特許を取得しているのですが、訴訟は起こしていないらしいです。
 このネットフリックス社ですが、4月15日付で発表した1-3月期の決算報告によると、80%の増収ながら赤字幅は増大しています。単年度黒字になるのはまだ先でしょうか。
 ともあれ、98年に開業した俗に言う「ドットコム」企業ながらネットバブルとは無関係に独自の路線をとってきた同社が、このビジネスモデルを今後どのように展開していくのか大変興味があります。

週刊東洋経済 2004年01月31日号

 週刊東洋経済 2004年01月31日号の特集は、中国です。

特集

鉄、金、原油、小麦・・・

中国”爆食”

 我々が中国を見るときに、「安い労働コストを生かした世界の工場」であるとか、「日本の産業の空洞化の直接的な要因」であるとか、モノ(製品、サービス)を供給する側面で見ることが多いと思われますが、今回はその逆、需要面から中国を見た切り口です。つまり、10億超の人口を抱える中国は巨大な供給地であるとともに消費地であるということです。世界の工場として経済成長を遂げる中国は、そこで暮らす国民の所得を向上させ、消費を促進させます。結果、巨大な可処分所得を持つ富裕層を中心として、一大消費ブームが到来するということです。
 話は、金の相場の値上がりから始まります。さらに、原油や天然ガス、小麦など17品目を指数化したCRB先物指数は、アジア通貨危機以前の最高値を抜いています。
 これらの国際商品の高騰の原因として5つを挙げ、その中でも中国国内での消費が最も影響を及ぼしていると述べられています。
 次に、国際商品を個別に取り上げて、それぞれの現状や見通しなどが述べられています。
1.鉄鋼
 国内では、製鉄会社の統合が進み、購入者側との価格交渉力が強化されました。それに、今回の中国の需要増大による追い風があり、製鉄会社側に有利な状況が続いています。また、ステンレススチールは鉄とニッケルの合金ですが、ニッケルの価格が昨年夏場から上昇中です。これは、日本や欧州中国でステンレスの需要が堅調なのに加えて、半導体生産の回復でリードフレーム用の需要が急増したことに原因があります。また、ニッケル自体の取引市場が小さく、ヘッジファンドが流入して値ざや取りの標的にされているとの指摘もあります。ステンレスの消費先である建設業界は不況が続き、価格転嫁もままならない状況です。
2.化学
 ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニールなどそれぞれ好況に推移しているそうです。特に塩ビでは、中国から米国向けの玩具などが好調であり、中国国内の需要も増大、更に、米国経済の好調により欧米からアジアへ流入する塩ビ樹脂が減少するなどの影響で需給の逼迫感が強いと述べられています。日本国内の塩ビメーカーは長年の赤字体質の脱却に期待しています。
3.石油
 石油は、原油価格が高水準で推移する中、国内におけるガソリンなどの市場価格は需要の頭打ちやSSの競争激化により引き上げが難しい状況です。原油価格が高騰する原因は、需要面で欧米の寒波や米国の堅調な経済状況そして中国の台頭が挙げられる一方、供給面でイラクの戦後復興の遅れやロシアのインフラ整備の遅れがあります。
3.繊維
 化学繊維の原材料となるエチレングリコールは、中国での需要増が毎年50万トン規模に達しています。そのため、生産が追いつかない状況が続いています。東レでは、原材料価格高騰を迅速に価格に転嫁できるように、市況予測や購買情報の共有化を進めていっているそうです。
4.食品
 穀物の市場も騰勢が続いています。食用油の原料となる大豆は米国での需要の逼迫を受けて近年にない高騰を示しています。その逼迫を加速させているのが、中国における「食生活の欧米化」だそうです。日本国内ではデフレ状況が続き、原材料価格の高騰を販売価格に転嫁しにくいのが実情です。国内では食用油メーカーの統合が行われましたが、統合効果を吹き飛ばしてしまいそうな雰囲気です。
5.金
 昔は、「有事のドル」と呼ばれていました。しかし、同時多発テロの発生や、それに続く米国のユニテラリズムの台頭、アフガニスタンやイラクとの戦争などにより、「ドルが頼れる通貨である」という神話は崩壊しました。しかし、ドルに変わる国際通貨は存在しません。そこで、人類が共通して価値を持つと認識する「金」の保有が促されました。そこに、中国の金口座売買開始が始まりました。中国国民は「金の選好度」が高いとされています。その結果、金の騰勢が続くのでした。
 国際商品価格高騰の背景として5つの要因が挙げられていますが、その中でもっとも大きな要因は「中国の経済発展」であると述べられています。
 中国の経済発展はここしばらく続くと見られていますが、懸念材料もいくつかあります。中国には3つのバブルの兆しが出ているそうです。それは、投資、銀行貸し出し、そしてマネーサプライです。また、不良債権問題も深刻だそうです。数値はいずれも日本の銀行の3~4倍を示しており、事態の深刻さを表しています。
 さて、中国の旺盛な需要に支えられた国際商品価格の高騰が、日本のデフレ脱却の起爆剤になるかというのが、記事の最後にあります。
 しかし、そうはならない・・・点も3つほど挙げられています。
1.原材料の高騰をそのまま商品の価格に転嫁しにくい状況であること。日本の企業は内部の努力で原材料費の高騰を吸収する行動を取るのではという見方です。
2.過去、国際商品の価格高騰が最終財の価格引き上げにつながったことはないということも挙げられています。
3.円高により、国際商品の価格高騰分が相殺されているという実情もあります。
 最後に、05年度の予測です。それは、やはりアメリカの景気の状況に左右されると結論づけられています。アメリカの製造業景況循環の期間が約20ヶ月であり、05年初めには下降局面にはいるという可能性があります。問題はその景気後退の程度です。中国向けの製品輸出増を食いつぶしてしまうほどの景気の落ち込みがあると、デフレの脱却は難しいだろうとされています。逆に、中国への輸出が堅調に推移してアメリカの減速分を補えれば、日本はデフレのスパイラルから抜け出すことができるでしょう。
 今回の特集は、非常に興味深かったです。日本の産業界では中国脅威論などがささやかれていますが、中国の経済的な発展が国内の輸出増などプラスの方向に働くこともあるというのは、新しい見方だと思いました。そういえば、福岡の家電量販店には外国人の客が多いという話をしたばかりでしたね。