オイコノミア「これが給与の決まり方?!」(後編)

 今週はあれこれあって、所感が遅くなっちゃった。
 まずは、又吉さんが街頭で年功序列賃金制度是非について突撃アンケートを行っていた。ま、人によって賛成反対があるというのは想像がついていたけれど、それ以上の考察はなしか・・・。せっかく回答の中に示唆が含まれているのに・・・。
 で、大学教授と年功序列賃金制度の仕組みについて対談。前回のコメントした生産性と年齢の変化について説明していた。その中でやっと、年功序列賃金制度のメリットとデメリットが紹介されていた。
 その後は、年功序列賃金制度のメリットは中小企業では享受されないという話に。というのも、中小企業の廃業率が6.2%あるからということ。おもしろいので計算してみた。40年間働くとして、40年後に中小企業が生存する確率は(100%-6.2%)^40=7.7%ということになる。これはちょっと愕然とするな~~。
 ちょっと本道から外れているが、カヤックという会社の「さいころ給」が紹介されていた。どこかの番組で見たことがあるな。
 で、結論としては、いったん離職しても職業訓練と再雇用する制度が充実していれば良いのではないかということになった。今は求職者支援制度というのもできているので、それも再雇用を促すものとして良いことだという話であった。そうやって、離職しながらスキルを磨いて次のキャリアにつなげることができれば良いのだが、それは理想過ぎないかな~~。
 ま、転職が当たり前の時代になると労働市場がより活性化するで良いことだとは思うが、そうなると実力社会になる気がする。企業が社員を自社で育てるよりも外部から調達するという選択をすると、若者は安寧とはしていられない時代になるだろう。

未来世紀ジパング~日本脱出!?日本の個人資産はどこへ行く?

 今週は個人の資産運用の話。富裕層に限らず、一般の人たちの中でも自分の資産を海外に移す人がいる。それは、昨今の円高を利用して海外の資産を安いうちに買っておこうということだったり、年金が当てにならないので自分の資産を自分で守りたいと言うことだったりする。また、ゼロ金利政策により、国内の金融機関に預金をしておいても利子がほとんど付かないので、海外、それも成長著しい東南アジアで資産を運用していこうと言うことらしい。さらには、日本の財政赤字が危機的な状況であると言うこと、そして震災の影響もあると言うことである。
 その投資先であるが、前述の東南アジアの他に米国の事例が紹介されていた。個人が米国に投資する理由は、なんと言っても永住権(グリーンカード)の獲得が目的と言うことだった。一般に米国の永住権取得には数年かかるのだが、米国内の特定の地域に50万ドル以上投資すると1年で取得できるという。
 いずれにしろ、海外に投資する人たちは日本で債務不履行(デフォルト)が発生するというリスクを恐れているということであるが、その可能性に関しては、学者の間でも意見が分かれていると言うこと。
 結論としては、日本は破綻すると言うことだった。だが、海外まで出かけて不動産を買いあさらなくても、国内でも外貨建ての資産を買うことができるので、もし国内資産に不安がある人はそうすれば良いと言うこと。いずれにしろ、自分の資産は自分で守ることが重要であると結んでいた。
 で、日本の財政事情は、約960兆円の債務があると言うことで、誰から見ても異常なのだけれど、政治家は一人もそこに手を付けようとしていないということが、事の本質のような気がした。つまり、政治に対する失望が、個人資産の海外流出という事態を招いているのでは、と思っている。財政再建が急がれるが、その一歩を踏み出す勇気が、今の政治家にはないのかな。まあ、財政再建となると、医療や年金をはじめとして福祉関連の予算も削減の対象になるだろうし、そうなると国民の反発は避けられず、それが怖いと言うことかな。

アジアの風 小さな挑戦者たち

 この番組が他と違うのは、アジアに進出を考えている国内企業が番組に応募するという点だ。そして、アジア進出の際の課題やその解決策を番組内でアドバイスしていくという作りになっている。
 今回は、ファーストキャビンというホテル業者。カプセルホテルでもビジネスホテルでもない、コンパクトホテルという新たなモデルを作って、安いけれど高品質を武器に展開している会社である。コンパクトホテルというのは、ビジネスホテルから水回り(トイレ、バスルーム)を取り去った形で、簡易宿泊施設に分類されるものだ。トイレは共同で、風呂は大浴場となっている。その分、料金を抑えていて、京都の烏丸で\5,500-くらいだから、普通のホテルよりかなり安い。
 市場としては、「ホテルは安い方が良いが、カプセルはちょっと」という人向けかな。寝るときはベッドでゆったりと眠りたいという人にはちょうど良いかも。
 で、この企業は、羽田空港のターミナルに進出して話題になったのだが、さらに今回は海外進出を目指して番組に登場したというわけだ。
 社長が語ったのは、中国、シンガポール、ベトナムなどだが、まずは空港立地を考えているようだった。その中でも、やはり中国が市場規模としては大きく、そこに進出したいと考えているらしい。
 で、海外のアナリストを交えた対談だが、中国でも上海地区は格安ビジネスホテルのチェーンがあり、それと正面対決するのは難しいという判断であった。一方、同じ中国でも香港では、地価が高いため、上海にあった安いビジネスホテルはチェーン展開していないということで、日本円で\4,000-くらいまでで提供できるのであれば、十分ビジネスチャンスはあるというもの。
 でも、検討これだけ?。で、進出決めちゃっていいのかな?。もちろん番組以外でも検討はしているのだろうけれど、もう少しプロセスを明らかにしてもらわないと、「この企業本当に大丈夫?」といった印象を持たれかねないよね。

マネーの羅針盤

 日本人の映画館を訪れる数が年間1.5回というのは、少ない気がする。という私も最近リアルな映画館にはあまり足を運んでいない。もっぱら、DVDをレンタルしてきて家で見るというパターンが多いな。
 作る側に関して言えば、映画を制作して映画館で放映するだけならば赤字、DVDにして売ったり、TV放映したりして、何とかコストを回収できるという。元々そこまで見越したコスト計算なのだろうが、最初の映画館の放映でこけると、後は買いたたかれてしまうのだろうな。内容が勝負というのは、他のコンテンツ産業にもいえることか。
 日本は、漫画やTVアニメなど映画のコンテンツとなるべきものは多いが、それを版権としてうまく活用する能力が足りないと言われていたのは、まさにその通り。トランスフォーマーだって、元は日本のおもちゃメーカーが版権を持っていたのだが、映画化する価値がわからなかったため、あれだけの大ヒットにもかかわらず、おもちゃメーカーにはわずかな版権料しか入らなかった。
 ということで、ANEWが昨年設立された。ANEWは「All Nippon Entertainment Works」の略であり、国内のストーリーやキャラクターなどの素材、コンテンツをリメイクし、グローバル市場に向けて企画開発、事業展開していく会社である。ここがうまく行けば、今まで国内だけで埋もれていた日本のサブ・カルチャーを全世界に配信できるのではないかと思う。

カンブリア宮殿  ~廃止された路線を”観光鉄道”へ~

 嵯峨野観光鉄道によるトロッコ列車の話題である。元々はJRの山陰線だったのだが、単線でカーブが多く、列車のスピードが出せないので、山陰線を複線化するときに別の経路を採択し、廃線となった。そこを観光路線として、再生したものである。社長の長谷川和彦は、テーマパークとしての復活を目指した。
 その秘訣というのが、彼の言葉をそのまま並べると、テーマの明確性、値ごろ感、アクセス、もてなし、継続した投資で、これはどのテーマパークにも当てはまることかな。でも、最初のJRからの投資が2億円で、車両の購入に充てるとほとんど残らなかったと言う。沿線の整備などは社員自らが行ったというから、手作り感満載である。
 その他にも地方のローカル鉄道が集客のために、いろいろな工夫をしているところが紹介されていたが、これらは本当に地元に根付いたもので、地域の文化や伝統資源を活かしていくことに繋がると結んでいた。
 バブル期には全国にテーマパークという箱物が作られたが、悉く失敗している。当時は潤沢な資金で立派な施設を作って、それが最初のうちは消費者の目を引いていたのだろうが、一巡すると目新しさがなくなり、次第に客足が遠のいてしまっていた。それに対して、長谷川社長は、最初から上記のコンセプトをぶらさずに守って邁進してきたことが今日の成功に繋がっているのではないかと思う。

引き続き、オイコノミア

 今週のテーマは「これが給与の決まり方!?(前編)」
 なんだか、今週はまじめに需要と供給曲線の話から始まった。そして最低賃金の話。最低賃金を高くすることは格差の助長につながるというのは、経済学ではよく言われていることだ。最低賃金以下しか労働の限界生産性がない人は雇用されず、雇用の機会が奪われてしまう。つまり、雇う側から見れば、最低賃金以下の生産性しか持ち合わせていない人は雇わないということである。
 そして、給与の2つの制約(参加制約、インセンティブ制約)の話。うん、話がつながっているし、経済学をちゃんと押さえているぞ。
 さらに、給与が上がる仕組みに関しては、代替可能性を引き合いに出していた。つまり、他の人にすぐに代替できるような仕事は給与が安く、逆に他の人には代替できないような仕事は給与が高いというもの。
 今週は「給与」ということで経済学でも主要なテーマだけあって、王道的な解説だった。いつも、このくらいたっぷり経済学を前面に出してほしいものだが。
 でも、相変わらず又吉さんの話し方は大人しい。彼はお笑い芸人で今では売れっ子の部類に入る部類なのに、あんなに訥々とした話し方で良いのかな。

今夜のガイアの夜明けは東京改造計画

 前半は東急電鉄による沿線の改造計画。ということで、渋谷ヒカリエから東急の新しい渋谷駅の工事現場を江口洋介が見学。って、これブラタモリで見たのと一緒だな~~。渋谷の改造はヒカリエだけにとどまらず、まだ大規模な都市開発があるらしい。私も日吉に通っているときとかはよく渋谷駅を利用していたのだが、町並みは変わってしまうのだろうな~~。
 後半は東武鉄道による、東京スカイツリー。東武鉄道は本業の売り上げで東急に水をあけられているという状況で、鉄道の利用率向上が課題だ。というわけで、東京スカイツリーの開業とそれによる東武沿線への波及効果が期待される。って、東京スカイツリーの話題はちょこっとで、すぐに話題は、東武の沿線でも最も集客が期待できるもののひとつである日光東照宮に切り替わった。東京スカイツリーの尺が短すぎない?
 そういえば、関西でも「あべのハルカス」が平成26年竣工予定だ。あれは近畿日本鉄道だったな。どの鉄道会社も沿線に魅力ある施設を作って、鉄道の利用率を上げようという戦略は変わらないな。昔はプロ野球球団と野球場、今はランドマーク・商業施設って訳だ。ま、球団を抱えている時代は、球団経営は赤字でそれを本業の鉄道事業で補うというパターンが多かったのが、今はそれぞれが独立して利益を出すように考えているところが違うかな。
(※ATOKすごい、「ヒカリエ」、「あべのハルカス」をちゃんと変換してくれる。)