オイコノミア(2012/08/28放送分)

「食べておいしい経済学!?」(前編)と題して、食に関する経済学のお話。
まずは珍しくスタジオセットから。屋台のおでんやで、屋号が「のみや オイコ」・・・って、ネーミングが秀逸だな。その屋台のセットで又吉さんと最近おなじみの大竹文雄教授が経済について語るというシチュエーション。
まず、おでんやだからおでんの話。コンビニでおでんが登場したのは1979年。そのコンビニおでんは海外のコンビニで大ブームだと言うことだった。でも、当然国ごとに味付けが変わるのだろうな。こんな風に、おでんが世界中でブームだが、各国ごとにローカライズされる。つまり世界がグローバル化していく中で特色を残しながら地域に適応していくことを「セミグローバル」化というのだが(ていうか番組で言っていた)、「セミグローバル」という言葉よりも「グローカル」というほうが一般的な気がする。私自身も「グローカル」は知っていたが、「セミ・グローバル」は聞いたことなかった。グローカルの代表例は「テリヤキバーガー」。これは、日本のハンバーガーショップでローカライズされたもの。ハンバーガーに関しては、パンやパテの味もグローカルされているというし。例を挙げればきりがないな。でも、食品が多いのは、やはり食文化というのは変え難いものがあるということかも。
※ていうか、後で調べたら、セミグローバルという言葉は「コークの味は国ごとに違うべきか」という書籍を書いたゲマワット氏の言葉らしい。これは経済学用語として認知されているのか非常に疑わしいな。ググるとグローカルのほうがたくさんヒットするよ。(要継続調査)
それから経済の起源の話になり、「経済の始まりは食にあり」。15,000年くらい前頃の話で、狩猟生活から農耕生活になって、余った穀物を貯蔵することが始まった。それが、貯蓄。すなわちそこから経済が始まったとのこと。その管理や分配のため、政治や経済が興ったということ。
それから、16世紀に起きた世界のグローバル化(大航海時代)のきっかけが香辛料(こしょう)だったという話。当時、こしょうによる富を独占していたのはベネチア。仕入れ価格と販売価格の間に360倍の価格差があり、それでヨーロッパ諸国は香辛料を求めてインド航路発見に力を注いだ。ま、これは有名な話で、こしょうは同じ重さの金と交換されていたというから、相当高かったのだろうな。
そして話題は移って、エンゲル係数が教科書から消えたという話。エンゲル係数は、家庭の支出に含まれる食費の割合を指し、その値が小さいほど豊かである。っていうのは中学生の頃に習って、学生時代とかはエンゲル係数が高いとか低いとかを笑い話の種にしていたが、それが、日本では豊かさを指す指標としてはなじまなくなったと言うことで、教科書から消えたらしい。で、日本ではエンゲル係数は23%あたりをずっとキープしている。その間バブル崩壊や失われた10~20年の時代が続き、デフレにより生活が苦しくなったのだが、食生活が変わり、低価格の外食ができるようになった。それは、海外から安い食品が輸入されるようになったため。それで、食料費の割合が増えていないと言うこと。
その輸入に関する言葉として次に登場するのが、フード・マイレージ。フード・マイレージは「食品の輸入量(t)×食品が消費者の手元に届くまでの移動量(km)」で、その紹介のために又吉さんが回転寿司やに行っていたが、皿には「くら寿司」のロゴがきっちりと映っていた。これNHK的にはどうよ!。それはさておき、日本はフード・マイレージが抜群に高い国(もちろんトップ)だ。その回転寿司の食材はだいたい地球を1/3~1/2周くらいして食卓に届いていた。フード・マイレージが高いということは、世界中のバラエティ豊かな食料を口にすることができているという面では、日本人は贅沢なんだなと思う。
で、世界中から食料を調達している日本だが、その食糧自給率はという話題に。食糧自給率は生産額ベースでは70%だが、カロリーベースだと40%になるというダブル・スタンダード。でもカロリーベースで「自給率が低い!」と叫んでいるのは日本と韓国だけで、それ以外の国は生産額ベースで食糧自給率を発表している。そうやって、危機感を煽っているわけだね~~。日本は、畜産とか油脂類とか小麦などカロリーが高いものの多くを輸入に頼っているので、カロリーベースの食糧自給率は当然低めになるわけだ。日本がカロリーベースで食糧自給率を発表している理由は推測の域を出ていなかったな。
最後は自国が得意なものの生産に特化する~比較優位という言葉の復習。又吉さんはやっぱりその言葉を忘れていたが・・・。日本が食品を輸入に頼ることで、安価な食品を口にすることができるというところと結びつけていた。食料安全保障とは両立が困難な話になるが。

ということで、最初は話の内容が飛んでいるように感じたが、エンゲル係数とフード・マイレージと食糧自給率で、最後はうまく話がまとまった。すばらしい。今回は構成に時間をかけたか?
しかし、また回転寿司が食いたくなった。たまには「一人回転寿司」に行こうかな。

ガイアの夜明け(2012/08/28放送分)

~あなたの知らない”格安航空”の真実」最近国内の企業も参加して成長著しいLCCの話。
主にLCCの話。メリット、デメリットもあるので、知らない人は気をつけましょうと言うことですね。
メリット
・コストが安いこと
デメリット
・東京では、利便性の高い羽田ではなくて成田発着が多い
・荷物は有料。重さによって値段が変わるということ
・クリティカルな運行スケジュールなので、ひとたび遅延が発生するとそれが連鎖する
・旅客会社ごとに細かなルールが違うので、熟知しないと予期しないペナルティを支払わなければならない。チェックインなど
当面は今までのエアライナーを利用していた旅行者が異なる料金システムに面食らう場面が多いかもね。

一方で、利便性の悪い成田に関してビジネスチャンスがあるということで、千葉県のバス会社が都心と成田を結ぶリムジンバスを1,000円で運行する。

福岡空港にも結構飛来していますね。新しいコールサインに、おっと思ったらLCCだったというパターンが多い。
LCCが台頭してきたのは、航空会社に求めるものが二極化してくるということだね。一方で、高くても、定時運行でゆったりと搭乗したいし、機内でもゆったりしたい、というニーズは残るだろう。
一方で、安く旅行がしたいというニーズには、LCCがうってつけかな。ということで、LCCが国内旅行のパラダイムシフトを進めていくの・・・かな。

カンブリア宮殿(2012/08/23放送分)

【「年輪経営」で社員の幸せと会社の永続を目指せ!】という題で、長野県の伊那食品工業の塚越寛会長がゲスト。
まずは、会社の工場をガーデン(公園と寒天を中心とした食品の販売や寒天を中心とした飲食店を運営しているテーマパークみたいなもの)として開放しているのはすごいな。今はセキュリティの関連で、工場に外部の人を入れるのはまれなのに。
この伊那食品工業は寒天の大手メーカーだが・・・って、伊那食品工業って、聞いたことなかったよ。売上高174億円でシェア80%、従業員453人というから、長野県を代表する企業だな~~。寒天自体は、食物繊維が豊富でカロリーがほとんど0だから、健康食品として女性を中心に人気がある。
この企業の理念を一言で言えば「永続する」ことで、そのためには身の丈に合った成長が必要と言うことかな?それを塚越社長は「年輪経営」と言っていた。それで、48年間増収を続けたというのはすごい(その後いったん減収に転じるが、それは後述)。
番組で、年輪経営の極意として紹介されていたのは、
1.売りすぎない、長野県以外では都市圏にぽつぽつと店舗が展開しているだけ
  ある商品(カップゼリー)を大手スーパーから全国展開するように提案されたが断った
2.作りすぎない、なるべく廃番にしないと言うことで、ロングセラー商品が多くなる
  番組では、商品開発している部門も紹介されていたが、新商品が開発されてもすぐには日の目を見ないということらしい。売り上げ目標もない・・・なんてすごい。KDDI、村田製作所、帝人、パナソニックなどそうそうたる大企業が伊那食品工業に視察に訪れていたが、それだけユニークと言うことか。
そんな伊那食品工業だが、2005年の寒天ブームの影響を受け、売上が急に伸びた。しかし、ブームが去って、その反動で減収を記録した。塚越社長は、ブームを受け顧客と従業員からの要請で増産に踏み切ったが、従業員が疲れ切ってしまったので、ブームが去ってちょうど良かったと言っていた。
伊那食品工業は「終身雇用」「年功序列賃金制度」によって従業員のモチベーションが高い様子が取材されていたが、彼らは本当に生き生きとしていたな~~(ま、生き生きとした人の映像を中心に使ったのだろうが・・・)。それにしても、従業員が自主的に早出してガーデンやトイレの掃除をしていたし・・・。そして、さまざまな制度や手当が紹介されていたが、一体どれだけ、従業員に還元しているのか、ビックリするな。一人の従業員の家を取材していたが、土地が120坪で高台に位置しており、建屋自体も比較的大きな家を建てられるのも将来に対する安心感があるからかな?
10億円を投資したR&Dセンターは、売上規模に比べると比較的大きな投資。映像を見る限り、かなり良い環境で開発をしている様子だった。番組では弾力性のある寒天を塚越会長が試食していた。この食感には私も興味がわいた。他に可食性のフィルムが紹介されていたが、これは実用化されたのか?そして、寒天カスを土壌改良剤(アガーライト)にしたり、寒天を利用した医薬用カプセル、歯科医療用の歯型を取るゲル、化粧品(保湿力を利用した)を開発したりと、寒天を中心としていろいろなドメインに向けた商品を開発していた。アガーライトは鉄分やミネラルを大量に含んでいるらしい。

終身雇用や年功序列制度に関しては、向く企業と向かない企業があるだろうなと感じた。あまり大きすぎる企業では、逆に年功序列は向かないかも知れない。塚越社長は抜擢のある年功序列制度だと言っていたが、逆抜擢もあるのかな?その話はなかった。
村上龍氏が番組の中で塚越会長の書籍中の一文を紹介していたが、それが「利益は健康な会社から出るう○ち」である!これはすごくインパクトがあった!利益がうん○とは!。その説明として塚越会長は、人間は排泄するためにものを食べているのではない。健康になるために食べているのだ。企業も同じで、永続するるためには隅々まで栄養(つまり稼いだお金)が行き渡らないと行けない。まずは従業員に還元して、職場も快適にして、研究開発費などに投資して、最後に残ったのが利益だ、という言っていた。これは名言だよ。ドラッカーもビックリか~~。ちょっと下品だから逆にインパクトがあるな。
そして、もう一つ塚越会長が言っていたのが「全ての企業は開発型であるべきだ」ということ。企業が永続するためには新たな商品、新たな技術、新たな販売方法など、あらゆるものを新に生み出していかなければいけないということで、この意見にも賛成だな。
塚越会長の書籍を読んでみたくなった!

オイコノミア(2012/08/21放送分)

「円が強いのいいじゃない!?」(後編)
外国為替に関する話題の後編。まず、又吉さんが三菱東京UFJ銀行の外国為替ディーリングルームに潜入。こういうのは貴重な映像だな。でも、インターバンク市場で、全てがコンピュータ・ネットワーク上で取引されているので、比較的静かに行われているな~。取引されている量は4兆7,000億ドルというから、莫大な量だ。
為替は個人や金融機関単位ではコントロールできないが国家ではコントロールできるのか?という話題で、今週も佐々木百合教授が登場。で、国家(中央銀行)による市場介入の話だが、市場介入自体の金額は市場全体で取引されている量が小さくてあまり効果が無い・・・と言う話で終わりか!!アナウンス効果のような心理的な効果の話は無し。
その後は、自国の輸出産業保護のための、通貨切り下げ競争の話だが、これも中途半端。
さらに、単一通貨のメリットから、ユーロの話に移ったが、このユーロに関しては最近あちこちで書きまくっているので、もうここでは省略。ユーロ導入の歴史も省略。
第二次世界大戦後、サー・ウィン・ストーン・チャーチルの「欧州は統合すべし」の言がユーロ誕生の端緒だというのはちょっと・・・
単一通貨のデメリットとして、自国の状況に合わせた金融政策が取れないことと言っていたのが気になった。それは正しいが、それが全てではないだろう。
そして、単一通貨に絡んで最適通貨圏理論の話が出てきた。これは、単一通貨にすることのメリットがある域内とはどういう範囲であるかを説明するもの。(ロバート・マンデル氏が提唱したものだが、彼のことはよく知らなかった)
1.経済的ショックの影響が同じ
2.物が動きやすい(域内で商品の価格差が小さくなり経済格差が埋まる)
3.労働者が移動しやすい(域内で失業率の差が小さくなり経済格差が埋まる)
ここで、2と3は1が満たされないときの代替手段ということだったが、私が覚えているのは3つはほぼ同列だった・・・。ちょっと昔の本を紐解いて調べてみよっと。
話題はちょっとそれて、自国の通貨を持っていない「パナマ」に関して。パナマにはバルボアという通貨があるが、1バルボア=1ドルということで完全にドルと同期している。
最後は、アジアが単一通貨になった方が良いかを又吉さんが街角アンケート。今は経済格差が大きいので単一通貨にするメリットはあまりない・・・とずいぶんまともなアンケート結果だな。アジアが単一通貨になる可能性は「経済学の立場では将来的にあり」だが、「文化的」「政治的」「歴史的」な点においては困難だという話だった。

で、やっぱり物足りないな。30分番組の前後編では語り尽くせないよ。でも、もうちょっと専門的な話も・・・無理かな~~。

ガイアの夜明け(2012/08/21放送分)

緊急取材!ユーロ危機の今~広がるニッポンへの影響~】と題して、ヨーロッパ・特にスペイン、ギリシアの状況と、ニッポンに対する影響を取材したもの。
まずは、円高で日本人観光客が増えているスペイン・マドリッドでのインタビュー。しかし、日中に発生したデモにより、ある日本人観光客の夫妻はホテル周辺の通りが封鎖されて、ホテルに戻ることができない(警備している警察官にホテルのカードキーを提示して、バリケードの中に入れてもらったけれど)など、観光や日常生活にも影響が及んでいるようだった。
取材の中で日本では見かけないような状況が・・・というのは、生活費の足しにと髪の毛を売る・・・なんてすごい。ウィッグにするのかな?200gで130ユーロというから、そこそこの値段か。母親が自分の子供の髪を売りに来ることもあるというけれど、これって児童虐待にならないのかな?
その、スペインの若年層の失業率は50%を超える状況。
また、生活費が払えずに住居を追い出される人が続出している。というのと、その強制執行の現場の取材はすごい迫力。警察も出張ってくるなんて、強引だな~。日本で警察があんなことやったら絶対にマスコミからつるし上げられるよ~~。
事の始まりは
1.単一通貨の導入
2.ユーロ圏の経済発達への期待
3.資金の流入
4.企業、工場の事業拡大
5.雇用の増加
6.人口の流入(移民~スペインは400万人くらい、主に中南米から)
7.好景気
・・・(というところで)
1.ギリシアによる債務隠しが発覚
2.ユーロの信用低下
3.資金の流出
4.企業、工場の縮小、撤退
5.失業率の増加
6.不景気
のような状況と言うことだ。
中南米などからスペインに移民してきた人は、今度はアルゼンチンに移動するということらしい。経済が発達するところに人が集まるのは世の常か。
企業や工場の撤退に反対して、スペインの米国大使館前でデモしている人たちが紹介されていた。米国企業が50社以上も撤退しているというが、だからといって、米国大使館前ででもしても仕方がないだろうと思うのだが・・・。
しかし、そんな中、スペイン国内にある日産の工場では700人の従業員を新規雇用。実は、工場を閉鎖するか、それとも昇給をなくす(給与の据え置き)かを従業員による投票に委ねた(スペインでは定期昇給が当たり前ということらしい)。その結果、従業員たちは、昇給よりも雇用の維持を選んだということだった。7割近くの従業員が給与の据え置きに賛成したというから、スペインの人たちの意識も変わったと言うことかな?。また、その結果、コスト削減努力が評価されて、新型の電気自動車(商用バン型)の製造拠点となることが決まった。そして、新規にラインを設けることになり、それに伴い700人の新規雇用が生まれたというわけ。そういう意味では、国民の意識が変わっていけば、社会も変わっていくんじゃないの?

一方、ギリシアでは国有財産を売却しており、それを買っているのが中国。ここでも中国マネーはすごいね。資産の切り売りに関しては、取材に応じたギリシアの人たちは反対の意見が多かったが。

こうしてみると、ユーロ危機はまだまだ予断を許さないことを再認識させられるな~~。

未来世紀ジパング(2012/08/20放送分)

【世界に羽ばたく!ニッポンの技術②復活”日の丸”ジェット】
最初は、ファンボローエアショーの模様。あぁ、もうこのまま1時間、この様子だけ放送してくれたらいいよっていう感じ。で、ファンボローはビジネスショーだから、航空機の商談がメインとなる。で、そこに今回三菱が進出して、MRJを売るっていう話。ちなみに、MRJは「Mitsubishi Regional Jet」の略で、三菱製の短距離ジェット旅客機と言うこと。ハブ空港と地方空港を結ぶコミューター航空など向けの機体である。
MRJは、YS-11以来約50年ぶりに日本が作る旅客機と言うことになる。ま、細かいところを言えば、民間航空機は作っていたのだがね。MU-300とか・・・。
番組としては、YS-11は市場予測あるいは顧客志向のマーケティングができていなかったため売上が伸びなかった。MRJはその反省を踏まえての開発と言うことだった。
リージョナル航空機の市場は、5,000機、17兆円であるが、この分野ではボンバルディア、エンブラエルの2強がいるので、その市場に食い込むための差別化戦略が重要になる。
MRJは、快適性と、メンテナンス性、そして燃費である。ただ、航空機の採算ラインは400機くらいなので、今の受注状況(100強)では苦しい。
で、ファンボローの航空ショーの間に、世界最大のリージョナル航空会社(スカイウェスト航空)から100機の受注を獲得したということで、緊急の記者会見を開いていた。世界最大のリージョナル航空会社からの受注だから、その他の航空会社も注目するだろう。これが売上拡大の契機になれば良いのだが。
で、未来予測は「名古屋が世界の航空産業三大拠点となる」というものだった。その他の拠点というのは、米国のシアトルと、フランスのトゥールーズだが、名古屋のもの作りの潜在能力は、前2都市よりも大きいと思うので、MRJやその後の国産航空機の動向によっては夢ではない予測かなとも思う。

日本の航空機産業にひいきな内容になっちゃったな。

アジアの風(2012/08/18放送分)

今回の主役は、ロボット開発会社の(株)アールティー。最初は、人間の動きをまねて動くロボットのデモンストレーションから。デモをしていたのは中川友紀子社長。CCDカメラで人の動きをキャプチャーし、その動きをコンピュータで解析して、ロボットに指令を送るというもの。遅延が0.5~1秒くらいあるが、そこそこおもしろいな。
この会社はロボット向けのAPIを売っていこうというもの。そのデモをしていたロボットにも搭載されていると言うことらしい。
で、APIの話が出てきたけれど、番組のAPIの解説はちょっとトンチンカンだった。今までは、ロボットに何かの動作をさせるときに、それぞれ固有の命令をたくさん書かなければならなかったが、APIを持つことにより、少ない命令で済む。そして生産性が飛躍的に向上するということを言おうとしているらしいが・・・。う~ん、ソフトウェア技術者以外の一般人にAPIを説明しようとするとこうなるのか・・・。やはり、おいらたちは特殊な世界に浸りきっているんだな~~。
そんなことはさておき、経済産業省によるロボット産業の市場予測によると2035年にロボット産業は10兆円規模の市場になるとあり、その半数はサービス分野という。そのサービス分野のロボット開発をターゲットにAPIを売っていこうという企業戦略らしい。また、2015年には介護ロボットの保険適用の範囲が広がるし、応用範囲は広いかも。
このAPI技術をアジアに売っていこうとしているのだが、中川社長がターゲットにしているのは「タイ」であった。その理由としては、タイの大学がロボット関連の競技会では必ず上位に入賞するなど大学レベルではロボット技術は高いということ。つまり、ロボットの消費市場というよりも、開発の盛んなタイで、大学などの研究施設向けに売っていこうというということらしい。
実際、タイに赴いてJETROや大学(マヒドン大学とあった)でデモンストレーションをしていた。
また、バンコクのロボットの聖地(日本の秋葉原や日本橋に近い・・・規模は小さいが)のようなところも視察していた。
そして、さらに次のカセサート大学でデモをしてたのだが、その大学の学科長らしき人が出てきて「タイではプログラムは無料だという感覚」というショッキングな話が出てきた。その学科長はAPIを売ろうとするのであれば、レベルを付けたらどうかという提案をベーシックなレベルは無料にして、アドバンスドなレベルを優良にすれば良いのではと言うことだ。また、難しい技術なので、技術指導とセットで売っていけばどうかという提案もしていた。
今回は、各国のアナリストの登場は無しだった。さすがにこういう特殊な技術に関してコメントできる人はいなかったのかな。

番組ナビゲータは「今までの日本企業はアジアを市場あるいは製造拠点とみなしていたが、今後は開発拠点になっていくだろう。しかし、タイなどは今後は開発拠点になっていくだろう。それは日本の製造業にとっては新たな展開になる」と言っていた。でも、開発まで海外で行うようになったら、日本は生き残れるのかちょっと不安。私は、製造業を中心とした技術の維持と向上こそが日本の生きる道だと思っているのだが・・・。

マネーの羅針盤(2012/08/18放送分)

電子書籍の市場は、5年後に2,000億円になるということで、これから幾何級数的に伸びていくという予測のグラフだが、本当のところはどうだろう。欧米ではKindleが出たときあたりから電子書籍の普及が凄まじいが、日本はまだ1テンポ2テンポ遅れている感じ。かくいう私もまだ持っていないし。(スマフォで読書している・・・確かに画面が小さくて見にくいので、専用端末が良いかもと思う今日この頃)
楽天から出た専用端末「kobo Touch」は比較的安価で人気だ。ただ、ネットでは炎上している。(三木谷社長は強気の発言だが・・・)。kobo Touch に関しては、Linux端末としても興味があるところだ・・・。
で、電子書籍を利用する人としては、紙の書籍と電子書籍とでは読むコンテンツが違うと言うことだった。携帯小説などのように気軽に読めるコンテンツが人気であるという。電子書籍向けのコンテンツを充実させることが普及の鍵となるかも知れない。
番組では、電子書籍のメリット・デメリットを次のように挙げていた。
メリット
・書店に行く必要が無い
・本棚が要らない
・文字の拡大で読みやすい
デメリット
・貸し借りができない
・端末により買える作品が異なる
・電子化された作品が少ない
う~~ん、この辺の解説はありきたりだ。
ところで、日本でも、図書館では電子書籍が進みつつあるといことだった。電子書籍の貸し出しは「一定期間でデータが閲覧不可、削除される」という仕組みにより実現されているそうだ。なるほどね~~。図書館では、人気のライトノベルを借りたいという人が殺到するのだそうだが、電子化することで、そう言ったニーズにも応えられるようになる。
また、例えば参考書などは、紙の書籍であれば、マーキングしたり、書き込まれるので、貸し出しが禁止されているが、電子書籍であれば、それはクリアできる。

個人的には、電子書籍のメリットはやはり「ロング・テール戦略」ではないかなと思う。紙の書籍時代には絶版になったり販売部数が少なくて入手困難な書籍でも、電子書籍になれば、いつでも同じ価格で手に入る時代が来るのでは?そうなると、普通の書店、図書館、そして古書店の存在意義が大幅に変わる。特に古書店にとって影響は大きいのでは?
具体的には、出版社が過去に出版した全ての書籍を電子化して配布できるようにし、なおかつ1冊単位ではなくて、章ごととか、切り売りできるようにするとよいのでは、と思っている?(切り売りするときの著作権については慎重な議論が必要だが)
すると、
・古書にプレミアが付くことがなくなる
・古書街に行かなくなる
・高価な学術書も必要な章だけバラ買いできる
こんな時代が来るかも。私は、書籍に関して、その装丁の豪華さやレア度などにはあまり興味が無く、内容重視なので、電子書籍はウェルカムなのだ。・・・と言いつつ、まだリーダーを購入していないのは、そんな私が読みたいと思うコンテンツがまだ登場していないから・・・。
紙の書籍の方が良い、と言う人はまだいるかも知れないが、CDの時代にアナログ・レコードが良いと言っているのと同じ、そんな時代になる気がするな。
いずれにしろ、電子書籍を普及させるキラー・コンテンツが現れる必要があると思う。

市況だが、
・日経平均は270円あまり上昇して9,100円を突破
・NYダウは25.09ドル上昇して13,275.20ドル
米国では、7月の小売売上高が市場予想を上回ったこと、シスコやホームデポが予想を上回る好決算だったことから景気回復への期待感が強まった。一方で、NYダウが高値水準に留まるために利益確定の売り注文も出て、小幅な上昇に留まったと言うことらしい。
世界の株式市況だが、独国のDAX指数が日経平均に次ぐ上昇幅を記録。これは、欧州債務危機が当面回避されたと言うことで、独国内の金融機関関連の銘柄が買われた結果だという。
しかしながら、投資家はまだ夏休みが続いており、本格的な市況の動きは来週以降になるということだ。

うっ、30分番組なのにコメントを書きすぎた!電子書籍などという、非常に興味のある分野がテーマだったから・・・ま、しかたないかな~~。

カンブリア宮殿(2012/08/16放送分)

真似されてこそ本物!大人気和菓子の老舗に”商いの道”あり】と題して和菓子屋の「たねや」がテーマ。
まずは、大阪梅田の阪神百貨店に入っている、バームクーヘンが名物の「クラブ・ハリエ」である。ここ、見たことあるよ。残念ながら、洋菓子は苦手なので買ったことはないのだが、大阪勤務だった頃は、よく人だかりができているのを見かけた。
この「クラブ・ハリエ」を出しているのが、滋賀県近江八幡に本店を構える和菓子屋の「たねや」である。
和菓子の業界は伸び悩んでいるのだが、その中で成長をしているのが、このたねやであり、それを率いるのが4代目の社長「山本昌仁」さんであった。
山本社長が拘っているのは「本物」。たねやの工場では自社で餡を製造していたが、今や和菓子の大手でも餡作りは外注しているところが多い中で、自社製造は珍しいとか。(餡を炊くと言っていたが、餡を作るのことを「餡を炊く」と言うと初めて知った。)
また、伝統を守ることと、それを打ち破る新たな挑戦をすることの両立を心がけていると言うことで、「ふくみ天秤」という「最中」を開発していた。これって、コンビニのおにぎりみたいに、さくさく感が味わえる。絶対、コンビニおにぎりからヒントを得たに違いない。
モットーは、「皆がいいというものはやらない。そういうものは予に出回っているので、二番煎じになってしまう。」このフレーズに似たフレーズをどこかで聴いたことある。「全員一致なら辞めてしまえ!」というやつ。開発者魂が問われると言うことだね。
開発中の商品を試食するところを取材していたが、餅に純粋なオリーブオイルをいっぱいにかけて食べるという「和洋折衷」のような商品で、今までに無いアイデアだなと思った。試食した村上龍氏が珍しく食レポのようなことを言っていたが、あまり説得力は無かった。
番組で紹介された「たねや」の特徴としては、
・農場を持っており、3,700坪の土地でヨモギだけを作るなど、地元滋賀県産にこだわった食材を使っている
・「たねや」の由来はもともと種苗点だったことらしい。屋号はなかったそうだが、来店客がたねやさんと呼ぶことで自然と名前が付いた
・銀座の三越に出店して失敗したことから、京都の雅(みやび)に対して滋賀の鄙び(ひなび)を売りにしていった
・工場は滋賀にしか作らない。というのも、場所が変われば水が変わるし食材も微妙に変わるので、味を調えるのが難しくなるため
真似されてなんぼといって、クラブ・ハリエの店頭での切り売りの手法が真似されても意に返さなかった。また、「たねやアカデミー」という教育施設では自社の若手以外の職人も育成している。他社の跡取りとかも受け入れて、自分のノウハウを全て公開しているというからすごい。和菓子業界全体のことを考えてのことだと思うが、ノウハウを教えても全く同じ味はできないだろうという絶対の自信がある気がするな。
最後は、たねやが運営する自社の従業員のための保育園。その子供たちは園内にある農場で野菜を収穫し、同じく園内の食堂で調理されたものを食べるのである。食育だな~~。
また、広大な土地(35,000坪)に和菓子と自然に関するテーマパークのようなものを建設する計画もあるらしい。

ということで、伝統のある和菓子の分野で革新的な試みを次々と行っているたねやの山本社長だが、地元の滋賀、近江にこだわるという一本筋が通る経営をしているところに共感できた。テーマパークができたら是非行ってみたいな。

ガイアの夜明け(2012/08/14放送分)

メダルを支えた…スポーツメーカーの闘い
オリンピック選手を裏で支えるスポーツ用品メーカーがテーマ。前回はアシックスがメインだったが今回はミズノが中心。
競泳用水着では、前大会で世界を席巻したスピード社の水着に対抗して国内メーカーのデサントが最新技術で巻き返しを図るというもの。
スポーツ用品メーカーとしては、
ロンドンオリンピックの公式スポンサーとなったのはAdidas
蛍光色の黄色いシューズでひときわ注目を引いたNike
ボルト選手と契約を結んだのはPuma
あたりが目に付いた。
エピソードとしては、1956年のメルボルン・オリンピックで、Adidasが各国の選手に自社のシューズを無料で配った。その結果、Adidasのシューズを履いた選手が72個のメダルを獲得し、85の世界記録を樹立した。そして、その特徴的な三本線のシューズを履いた選手の写真が通信社を通して世界中に配信されると、大きなプロモーション効果を得ることができた。そして、Adidasブランドが世界中に浸透し、他のメーカーもそれに倣って有力選手に自社の製品を提供する専属契約を結ぶようになった。と言う話がおもしろかった。
メルボルン大会の時、全選手がAdidasのシューズを履いたとしたら、メダルは全部取れるじゃん。と思ったが、世界記録はそれなりの機能性がないと達成できないな。
そして、今やオリンピックは、スポーツ用品メーカー同士がしのぎを削る代理戦争の様相を呈してきたと言うことかな。
もう一つのエピソードとしては、PumaとAdidasの創業者が兄弟(兄:ルドルフ・ダスラー、弟:アドルフ・ダスラー)だという話がおもしろかった。この兄弟は元は同じ会社でシューズを作っていたのだが、決別したと言うことらしい。兄弟が支え合うのではなく、お互い競い合ってそれぞれの会社を世界的企業にしてしまうというのは、よっぽどライバル心が強かったのだろうな。この話は初めて聞いたので非常におもしろかった。

オリンピックに限らず、大きなスポーツ大会や国内外のプロスポーツというのは、スポーツ用品メーカーのプロモーションの場になってきている。スポーツ用品を買うときに「あの選手が身につけているブランドと同じもの」を買いたいという購買行動は誰にでも見られるからね。ということで、当面はこういった戦いは続くのだろうけれど、再編も起きるのかな。

さて、来週は欧州危機の話。非常に楽しみではある・・・。