カンブリア宮殿(2012/11/02放送分)

【古い物件を“家賃を倍”にする不動産再生集団】
中古アパートをリフォームして付加価値を付け、再生させようという会社「ブルースタジオ」がテーマ。リノベーションと呼んでいたが、完成当時の価値を超えるものにすることがミソらしい。
勿論、家主からの依頼で賃貸アパートのリノベーションを行うだけでなく、一戸建てや、マンションなど所有者からの依頼もこなしているらしい。
日本の住宅は、中古になると途端に安くなるものが多いので、そこそこの中古を購入して自分なりにアレンジするという需要はあるということ。金額的には、購入費と改造費を合わせても新築の半分~8割程度で、より凝ったことをしたい人は、新築よりも高くなることもあるそうだ。
住宅に個性を求める人が多いのかな~?

オイコノミア(2012/10/30放送分)

「旅のお供に経済学!?」(後編)
引き続き、大竹教授と浅草を観光しながら旅行に関する経済学の話。
今週は又吉さんが自分の旅行のプランを練りながら、それに大竹教授が解説を加えるという形式だった。
出てきたキーワードは、次のようなもの。
・「メンタル・アカウンティング」は同じ金額でも使う場所によって感じ方が違ってくることで、旅先でついつい財布のひもが緩くなることをさして言っていた。
・「ネットワーク外部性」また出てきた。旅の行き先に関して、皆によく知られているところに旅行に行くと、帰ってから土産話に花が咲くことになる。
・「集積の利益」は産業や人が1カ所に集中していることで得られる利益で、観光地などで同じようなお土産屋があることで、店同士の競争が生まれて観光者は安く商品を得ることができると言っていた。
・「競争市場と独占市場」に関してもおさらい。高級ホテルと格安ホテルの話で、高級ホテルは独占、格安ホテルは競争が激しいという話をしていた。
・「異時点間代替(inter-temporal substitution)」なんてのも出てきた。これは、財やサービスの消費をする時を変更できるものの事を指す。番組では、食事、睡眠は異時点間代替ができない、出産も長いスパンで考えると異時点間代替ができないと言っていた。異時点間代替に関しては、うまく利用すると「安く」ものを購入したりサービスの提供を受けたりすることができる。例えば、休みの日は行楽地は多くの人出でごった返し、料金設定も高め、待ち時間が発生したりするが、平日であれば、安い料金で、待ち時間無しでサービスを利用できるなど。つまり、休日を異時点間代替できる人は、それを使って平日に行けば良いと言うことになる。番組では、異時点間代替は景気変動を生むという話になっていたが、もうちょっと突っ込んだ話をしてほしいと思った。

ガイアの夜明け(2012/10/30放送分)

【反日暴動に負けない!~独占取材!平和堂 45日間の全記録~】
これも中国における反日デモの話。平和堂の復活にかける45日間の奮闘を取材したもの。平和堂に関してはこのブログでも紹介したことがある。こちら
再開までの課題は次の3点。
・テナントは戻るか?
・顧客は戻るか?
・反日デモが再び起きないか?
特に長沙市にある一号店では、10月27日の営業再開に向けて、テナントとの交渉や内装工事、そして市当局との交渉に奮闘していた。結局、テナントに関しては、480店舗の中で99%が再開に同意して、クリア。顧客も再開初日は10万人で平常の倍の来客。反日デモに関してはネット上で襲撃の書き込みがあったというが、当局が削除したのと、当日は私服警官50人が警備してデモは発生しなかったと言うこと。

というわけであるが、日中関係は先が見えない。工場としての中国の魅力は減少し、工場の撤退はあるかも知れないが、市場としての魅力が増大している中で、小売業などの出店は今後も続くことになる。暴動にも耐えられる要塞のような店作りが必要かも・・・。

未来世紀ジパング(2012/10/29放送分)

【中国の行方~反日デモの裏で起きていたこと】
中国で起きた反日デモの裏側を読み解こうというもの。
中国ではデモが頻発していると言うことで、それは日系企業だけではなく、あらゆる工場で賃上げなどのデモが起きているということだった。デモの中心となっているのは「農民工」と呼ばれる内陸部の農村地帯から沿海部の都市へ出稼ぎに来ている労働者達であり、彼らも2世代目となっている。2世代目の農民工のことを番組では「新世代農民工」と呼んでいた。
彼らの特長としては、
・1980年代以降の生まれ
・学生時代は反日教育を刷り込まれた
・平均的な月給は約2,500元(32,500円)程度
ということ。
新世代農民工達はスマフォなどネットを駆使し、賃金の状況など連絡しあっているそうで、他よりも少しでも待遇が悪いとすぐにデモを起こすそうである。彼らは典型的なブルーカラーであり、工場内の労働者として一生を終わることが決まっており、そういう行き場のない閉塞感が彼らをデモへと向かわせているのだそうだ。ということで、反日はデモのきっかけに過ぎず、多くの新生代農民工は「尖閣諸島」がどこにあるのかさえ知らない、関心がないということだった。彼らの関心は自分たちの将来の生活と言うことだった。
中国には、日本の企業、約14,400社が進出しているが、その4割は製造業。こうして進出した欧米や日本の企業が、中国の経済発展を支えてきた。
そして番組では、中国に進出した企業の多くは撤退を考えていると言っていたが本当に多くなのかは疑問が残る。しかし、仮に撤退を考えているとしても、それもそう簡単ではなく、
・全従業員に経済保証金が必要、従業員への雇用保障が必要(退職金に代わるもの・・・らしい。次の職が決まるまで支払い続けなければいけないとか言っていたが本当なのか?)
・廃業許可申請(当局の廃業許可が必要で、2年くらいかかる)
ということらしい。賃金問題などでトラブルになった工場の日本人管理者が監禁された事例もあるということだった。
一方で、都市部の裕福な家庭に育った子息達は全くデモに参加していないと言うことだった。また、同時期に開催された日本企業の就職説明会には、そういった多くの中国人学生が詰めかけていた。インタビューに答えていた学生が日本企業を志向するのは、コネではなくて実力で評価されることや日本文化に対する憧れ。そういう意味では、全く別世界のようだった。

で、未来予測であるが「反日は終わらない」ということだった。中国政府は国内の閉塞感や不満が政府当局に向かわないように「反日」を掲げてガス抜きを図る。それは今後も続くだろうと言うことだった。
中国に関しては現地労働者の賃金上昇で以前ほどの魅力がなくなりつつある。しかしながら、市場としての中国は依然として魅力的で今後も市場の拡大が望める。と言うことで今後も中国とつきあっていくことが重要なのだが、そのときに大切なことは「帽子と用心棒」と言っていた。
・帽子というのは、他人のふりをすると言うことで、日本企業であっても香港などに現地法人を立ち上げ、そこ経由で中国進出することで、暴動などの対象になることを防げると言うこと。
・用心棒というのは、例えば米国であれば、自国の企業が外国で被害に遭うと政府が文句を言ってくれるので、そういう用心棒のある国(米国しかないと思うのだが)経由で中国に進出することでリスクを低減できると言うこと。
逆になぜ日本政府が被害賠償を中国政府に要求しないのかと思ったりするのだが・・・。

アジアの風(2012/10/27放送分)

現地コンサルタントに成功の秘訣を聞く(香港編)
チャイナリスクの実情に関して
香港は中国本土に比べて関心が薄く、ビジネスに対する影響は少ない。
巨大な購買力に関して
中国本土から2,800万人/年訪れている。この消費の力は強い。
有望なビジネスに関して
飲食業にビジネスチャンスがある。日本食に馴染みがあるため。また、今後日本酒は有望である。香港は、アルコール度数30%以下であれば物品税は廃止になったため、日本酒を輸入しやすくなった。
で、その日本酒を海外に売っているメーカーの話。愛知県の関屋酒造という酒蔵。中国料理に合う酒質の研究もやっているそうだ。

香港に会社を設立するメリットとして
1.関税がない(フリーポートである)
2.1HKドルから会社設立可能(日本も同じだが)
3.法人税が16.5%
4.中国本土への輸出関税が0になる(香港に工場がある場合)
を挙げていた。

後半は、以前番組で紹介された「海桜鮪」を香港で売っていこうとするヤマサ脇口水産の現状。問題は賃料であり、30坪で100万円ということだった。というのも、出店しようとしている地区が富裕層の多い地区ということ。

香港に拠点を作り、そこからASEANへと進出するというビジネスモデルが一般的だそうだ。さらに、中国とASEANの間では2010年にFTAが発効しており、およそ9割の物品の関税が撤廃されている。香港はFTAの対象ではないが、香港企業がこれらの貿易を取り扱うときに、その貨物が香港で加工されるとFTAは使えなくなるが、直送や積み換えのみであれば、FTAが適用される。

最後は、ビジネス環境の違いや香港人のメンタリティを理解することが、ビジネス成功の秘訣。と言っていたが、これはどこでも同じ通用する話だな。

マネーの羅針盤(2012/10/27放送分)

食料に関する話題で、まずは日本の食糧自給率が39%ということ。で、これは過去に説明したとおり「カロリーベース」の数字であるが、生産額ベースでは69%、(額は67,000億円)世界第5位の食料生産国と言うことになる。
番組では、カロリーベースでの統計を発表している農林水産省は「天下り先の確保のため」だと言っていたが、それだけではないように思うな。
そして、農業人口比率の割合は、2.0%であり、主要先進国の仏国(1.2%)、米国(0.7%)、独国(1.0%)よりも大きい。要は数は多いが規模が小さく非効率だと言うこと。また、1960年の農業人口の1/6で同程度の生産量を確保しており、生産性は格段に上昇している。
で、結局、日本の農業のためには「経営者」の育成が必要という結論だった。

日経平均は69円のマイナス。NYダウは週間ベースで236ドルの下落。GDPなどの速報値は予想を上回るなどよい材料はでているが、主要企業の決算内容が市場の予想を下回り、景気回復への懸念が出ているため。
その他の国の株式市場も一斉に下げており、その中でも上海総合指数の下落率が大きい。

ということで、日本は農家を保護する政策をとっているが、そのために生産性の低い農家が淘汰されていない。この政策を維持するために「低い食糧自給率」を盾にとって、「食糧自給率の確保のために農家の保護が必要」と言っているような気がする。逆に生産性の低い農家が淘汰されれば、残った農家は規模を拡大して生産効率がさらに上昇していくのでは?

カンブリア宮殿(2012/10/25放送分)

【伝統の中の革新経営!マネキンビジネスの真髄に迫る!】
デパートなどの洋服売り場で圧倒的なシェアを持っている吉忠マネキンの吉田忠嗣(よしだ・ただつぐ)氏がゲスト。
シェアを拡大していった戦略としては、業界で初めて「マネキンのレンタル」を始めたとこと。デパート側は季節や商品に合わせて希望のマネキンをレンタルでき、在庫をする必要が無かったり、傷が付いたり壊れたりしたものの補修をしなくても良いという。
で、他社を圧倒する吉忠マネキンの特長としては
・再生技術(リサイクル)
 レンタル中に傷ついたり壊れたりしたマネキンを補修して再利用することで、コストを下げる。
・豊富な在庫(10,000点)
・客の要求に徹底対応
 既存のマネキンを改造して顧客の要望に合ったマネキンを作る。
ということで、国内デパートの90%で使われているとともに、世界30カ国で使われているそうである。また、マネキンだけしか登場しないコメディー番組「オー!マイキー」に使われているのも同社のマネキンらしい。
国内のマネキンメーカーは39社、そのうち、原型作家がいるのは12社しかないそうである。
もともと吉忠は京都の呉服屋だった。戦前、同じ京都のしまず製作所が人体模型の作成技術をベースにマネキンを作っていたのだが、戦争中は贅沢品と言うことで製造中止。戦後、その島津のマネキンを吉忠が売ったのが始まりと言うことだった。
その吉忠マネキンであるが、現在はマネキンの売上は全体の6.4%に過ぎず、ディスプレイなどの内装が52.4%と売上の過半数を叩き出している。吉忠がマネキンから店舗の内装業へとシフトしていったのは、1980年代以降の「ハウスマヌカン時代」を経験したから。マネキンの需要が大幅に減少し、それを挽回するために隣接事業であるディスプレイの内装を手がけるようになったと言うことだった。

吉田忠嗣社長本人が言っていた「マネキンを母として商空間、商環境を良くしていくことが我々の使命」というのが、吉忠のドメインをよく表しているな~。

オイコノミア(2012/10/24放送分)

「旅のお供に経済学!?」(前編) ということで、旅にまつわる経済学の話。ゲストは大竹文雄教授。内容は又吉さんが街頭で旅行に関してお金に纏わる疑問を聞いて回るというもの。そして、その疑問点に大竹教授が答えていくという形で番組が展開。
1.子供料金、大人料金
 ・子供料金が安かったら家族で旅行しようとするインセンティブが働く。
 ・価格差別により利用者を増やす。映画館や行楽施設も同様
  ・・・価格差別は先週の話とダブっているぞ!
2.飛行機の料金が安くなる(LCC)
 ・コストカット(チェックインカウンターの電光掲示板や、アナウンスの設備費の削減、ボーディングブリッジ未使用、駐機時間の短縮、CAによる機内清掃、新造機を導入することによりメンテナンス経費の削減)
 ・シートのピッチを狭くして乗客数を増加
で、LCCに関して「ベルトラン競争」の話が出てきた。これは、「価格競争がおこると価格は最終的に限界費用まで下がる」というもの。
最後に、電車の料金における競争の話として紹介されたのが、京都駅から神戸駅までの料金。JRで京都駅から神戸駅までの切符を買うと1,050円かかるが、大阪まで(540円)行っていったん改札を抜けて神戸までの切符(390円)を買い直すと930円になる。これは、京都から神戸まで直通は独占でありその利便性の分だけ料金を上乗せしているというもの。

実はこういう価格設定はたくさんあって、必ずしも料金が距離に比例していないので、利用者としては納得がいかないところもあるが、市場における供給と需要の関係もあり、仕方の無いところではある。しかしながら、これを放置すると人口が密集している地域ほど移動コストが小さくなり、結果として過密化・過疎化を助長することになる。これが困ったところ。

ガイアの夜明け(2012/10/23放送分)

【家電ベンチャーからの挑戦状】
つかみは「ビックロ」。言わずと知れたビックカメラとユニクロが合体した店。家電と洋服を売っているのだが、動線をうまいこと工夫して、洋服から家電へ自然に客を誘導するレイアウトになっているらしい。
前半に紹介されたのは、バルミューダ(BALMUDA)という家電ベンチャー。自然に近い風を作り出す扇風機がヒットしているということだった。そのバルミューダが次の製品(空気清浄機)を開発する過程を紹介していた。
後半に紹介されたのは、Bサイズというたった一人の家電メーカー。2011年に創業したばかりであり、最初に作ったLEDのデスクライトがヒットしているという。そして、次に開発しようとしていたのが、携帯の非接触型充電器。すでに大手が出しているのだが、Bサイズの独自性として、「木製」であるということ。

まさにニッチな戦略というか、大手が手を出さないような市場に、素早く製品を投入できる機動性は、ベンチャーならではかなと思う。

アジアの風(2012/10/20放送分)

「GEN CORPORATION」という長野県にある会社の紹介。
一人乗りのヘリコプターを開発してそれを海外に売っていくというもの。125ccのエンジンを4基搭載して、2重反転ローターを回すというもので、大きさとしてはオートジャイロ程度のもの。2重反転プロペラなのでテイルローターが不要のため、小型化を実現したというもの。
国内の航空法では、レジャー用の小型機は、飛行場所が特定されたり、毎月の申請が必要だったり、ということで手軽に楽しめない。そこで、海外に展開しようとしている。
インドネシアで密輸や森林の盗伐を監視する需要のために使えないかというもの、また、シンガポールで富裕層向けに売り込めないかというものだった。
インドネシアに向けては、市場性が低い評価となった。というのは日本の法規制によるもので、軍事転用の可能性がある場合は個別に輸出申請が必要になると言うこと。
シンガポールでも、富裕層向けは今のところあまり需要は見込めないが、BtoG向けの市場があるという評価だった。

国内でも、監視などに適用できそうなのだが、逆に海外で実績を作らないと、日本では売れないというのももどかしいもの。